政府は30日の閣議で、熱中症対策で関係府省が今後5年間で取り組む実行計画を決定した。過去5年平均で年間1000人超となっている死者数を2030年までに半減させる目標を掲げた。65歳以上の高齢者に適切なエアコン利用を呼び掛けるなどの対策を今夏から強化する。
 西村明宏環境相は同日の閣議後記者会見で、「熱中症は適切な予防行動で防げる。夏本番を前にエアコンの試運転を実施したり、ウオーキングなどで汗をかいて暑さに体を慣れさせたりすることも重要だ」と語った。
 熱中症の死者数は昨年までの5年間の平均で1295人。8割以上を体温調節機能が衰えがちな高齢者が占める。また、屋内での死者の約9割がエアコンを使っていなかったり所有していなかったりした。
 計画では4~9月に「熱中症予防強化キャンペーン」を実施し、高齢者にエアコンの適正利用や過ごしやすい薄着、積極的な水分・塩分の補給などを呼び掛ける。福祉関係の団体に見守りの協力を求める。災害級の極端な高温時に備え、高齢者や障害者を避難誘導する方法も検討する。 

(ニュース提供元:時事通信社)