【ニューヨーク時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は30日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発について、原子力災害を防ぐための「五つの原則」を発表し、ロシアとウクライナに順守するよう求めた。ロシアのウクライナ侵攻を協議する国連安保理の会合で呼び掛けた。
 グロッシ氏は(1)原発から、または原発に向けた攻撃の禁止(2)軍事基地化の禁止(3)外部電源の常時確保(4)破壊工作からの保護(5)原則を損なう行為の禁止―を提案。その上で「核災害は回避可能だ」と強調した。今後、同原発に派遣している職員を通じて履行状況を「監視する」という。
 ただ、ウクライナ軍による大規模な反転攻勢が予想される中、原則が守られるかは不透明だ。両国の国連大使は会合で互いを非難。原則を順守するとの明確な表明はなかった。 

(ニュース提供元:時事通信社)