【シドニー時事】オーストラリア、韓国両政府はインド太平洋地域の安定のため防衛協力を強化する。アルバニージー首相と尹錫悦大統領はいずれも、価値観を共有する民主主義国である日米との連携を重視しており、中国や北朝鮮の軍事力拡大をにらみ、共同訓練や技術開発の協力を進める考えだ。
 尹、アルバニージー両氏は5月19日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ広島で会談し、防衛協力の拡大で一致。同月30日にはソウルで李鐘燮、マールズ両国防相が具体策を協議した。
 国防相会談で韓国側は、豪主導の多国間海上訓練「インド太平洋エンデバー」と、豪軍による水中爆発物処理プログラム「レンダーセーフ」への初参加を表明した。また、両国は防衛装備開発で産業界を交えた協力を深化させるため、2011年に交わした覚書を改定することで合意し、実務協議入りを決めた。
 尹政権は昨年12月にインド太平洋戦略を発表。今年5月末には太平洋島しょ国との首脳会議を開いて同地域に関与していく姿勢を明確にした。豪州側は尹政権の戦略について「われわれと多くの共通点がある」(マールズ氏)と歓迎し、連携強化に意欲的だ。 
〔写真説明〕握手するオーストラリアのアルバニージー首相(左)と韓国の尹錫悦大統領=5月19日、広島(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)