東・西日本の太平洋側に大雨を降らせた梅雨前線は3日午後、関東から東へ遠ざかった。前線の活動を活発化させた大型の台風2号は、午後3時に伊豆諸島近海で温帯低気圧に変わった。気象庁は引き続き土砂災害と河川の増水に注意するよう呼び掛けた。大雨の影響で、これまでに1人が死亡、5人が行方不明となり、多数の家屋が浸水した。
 愛知県豊橋市では2日夜、消防隊員が水没した軽自動車の中から心肺停止状態となった男性を発見。男性は同市江島町、会社員朝倉泰嗣さん(61)で、3日に搬送先の病院で死亡が確認された。和歌山県では、2日に真国川に流されたとみられる男女2人について県警などが捜索を進めた。
 静岡県磐田市では、氾濫した敷地川沿いに住む男性(74)が行方不明になった。浜松市北区では土砂崩れが起きて住宅が倒壊し、住人の30代男性と連絡が取れなくなった。神奈川県厚木市の小鮎川では男性(76)が川に流されたとみられ、県警と消防が捜索を続けた。
 総務省消防庁の3日午後のまとめでは、前線と台風による関東から沖縄にかけての被害は、このほかに重傷6人、軽傷29人。住宅の全半壊と破損、床上・床下浸水が計232棟となった。
 発達した雨雲が連なる線状降水帯が高知県から静岡県にかけて相次いで発生したため、多くの地点で過去最多雨量を記録した。3日午後までに48時間雨量の通年記録を更新したのは、静岡県藤枝市(高根山)499ミリ、豊橋市426ミリなど。6月の記録を更新したのは、三重県鳥羽市507ミリ、和歌山県田辺市(護摩壇山)430ミリ、東京都千代田区261ミリなどとなった。 
〔写真説明〕大雨の影響で道路が冠水し、立ち往生した車=3日午後、埼玉県越谷市
〔写真説明〕大雨の影響で道路が冠水し、立ち往生した車=3日午後、愛知県豊川市
〔写真説明〕冠水した豊川放水路付近の田畑=3日午後、愛知県豊川市

(ニュース提供元:時事通信社)