富山市の電気設備工事会社「北陸電気工事」に勤務していた男性が出血性胃潰瘍で死亡したのは長時間労働による強い心身の負荷が原因だとして、遺族が6日、同社に約7300万円の損害賠償を求める訴訟を富山地裁に起こした。
 男性について、富山労働基準監督署は5月、労災と認定している。遺族側の代理人弁護士によると、消化器系疾患での労災認定は異例という。
 訴状によると、男性は2019年の定年退職後も同社に再雇用され、放送局の電気設備工事の現場責任者として勤務。21年12月に自宅で出血性胃潰瘍を発症し、搬送先の病院で死亡した。
 遺族側は、工事の遅れに対応するため深夜まで長時間労働が続き、亡くなる直前1カ月間の時間外労働は約176時間に上ったと主張。会社側が安全配慮義務を怠り、過重な業務に従事させたなどと訴えている。
 遺族は弁護士を通じ、「二度と悲しい出来事が起きないよう業務管理に努めてほしい」などとするコメントを出した。
 北陸電気工事の話 訴状が届いていないので、現時点ではコメントできない。 

(ニュース提供元:時事通信社)