【ベルリン時事】オランダのルッテ首相は20日、南部アイントホーフェンでウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、オランダが保有する米国製戦闘機F16を供与することで合意した。デンマークも供与に加わる。F16のウクライナ供与が決まったのは初めて。
 ウクライナ側は高性能なF16の投入によって制空権を確保し、占領地奪還に向けた反転攻勢を優位に進めたい考え。侵攻開始からまもなく1年半を迎え、戦闘のさらなる長期化が予想される中、西側諸国の兵器供与も新たな段階に入った。ロシアの反発は必至だ。
 ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)で、F16供与に謝意を示すとともに「ロシアのテロリストをウクライナの街から追い出すために使う」と表明した。実際の引き渡しは操縦訓練の完了後で、訓練には少なくとも半年を要する見込み。供与される数は明らかになっていない。 
〔写真説明〕20日、オランダ南部アイントホーフェンで、握手するウクライナのゼレンスキー大統領(左)とオランダのルッテ首相(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)