2023/09/17
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】文章や画像を自動でつくる生成AI(人工知能)の開発企業が、米議会で法規制の議論が本格始動したことを歓迎している。偽情報拡散などのリスクが問題となる中、法整備はサービスの信頼性担保にもつながるとの期待があるためだ。ただ、免許制導入などの厳格な規制は技術革新を妨げるとの懸念もあり、議会側がどうバランスを取るか注目される。
「AI革命は信頼の上に成り立つ」。米IT大手セールスフォースのベニオフ最高経営責任者(CEO)は12日、生成AI関連サービスを発表したイベントで、「信頼」という言葉を何度も使った。
生成AIは、膨大な文章や画像のデータを学習し、指示に沿った結果を示すが、偽情報拡散や情報漏えいなどのリスクが指摘されている。開発企業は、専門チームで安全対策を実行。米IT大手グーグルがAIで作られた画像を識別できる技術の試験運用を始めるなど、自主的な取り組みで信頼醸成を図ってきた。
13日に開かれた米上院超党派の特別会議は、安全保障や選挙にAIが与えるリスクへの対処が主なテーマだった。技術の進展に即応するため、米電気自動車(EV)大手テスラのマスクCEOら民間企業幹部も直接議論に参加する新しい形式を採用した。
会議は非公開だったが、主導した民主党上院トップのシューマー院内総務は終了後、法規制の必要性について「一定の合意が得られた」と述べた。企業の説明責任や透明性確保を柱に議論を続ける方針だ。
マスク氏からは、規制当局が設置される可能性があるとの見方が示された。同氏らと会議に同席したチャットGPT開発元、米オープンAIのアルトマンCEOも12日、「機関(の設置)が適切だ」と語り、5月には上院小委員会で免許制の検討も提言していた。
一方で、米AI新興企業ハギングフェイスのデラングCEOは、免許制は「少数に力を集中させる」と反発してきた。経営資源が豊富な巨大IT企業のみが対応できる規制になった場合、新興企業の参入障壁になる。それにより競争が弱まれば、公平性や透明性も損なわれると警告している。
(ニュース提供元:時事通信社)
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