2023/09/29
防災・危機管理ニュース
元勤務先の総合商社「兼松」の営業秘密を転職後に不正に持ち出したとして、大手総合商社「双日」の元社員真鍋昌奨容疑者(32)が逮捕された事件で、兼松が毎月実施しているデータベースへのアクセス履歴の分析が被害発覚のきっかけだったことが29日、関係者への取材で分かった。
兼松側が営業秘密の流出を早期に把握したことで証拠の保全がうまくいき、警視庁による立件につながった可能性がある。
関係者によると、兼松は情報管理の観点から、データベースへのアクセス回数やウイルスのブロック数を毎月分析。昨年7月のある週末に大量アクセスの記録があり調べたところ、双日に同月転職した真鍋容疑者の関与が浮上した。
兼松は社内調査を経て、2カ月後の昨年9月、警視庁に被害を相談。同庁は今年4月、双日本社を家宅捜索するなどして本格捜査に乗り出した。
双日は真鍋容疑者が持ち込んだ兼松の営業秘密について、「不正に用いた事実は把握していない」としている。
真鍋容疑者は双日に転職直後の昨年7月、他人のIDとパスワードを使って兼松のデータベースにアクセスし、自動車の部品供給に関する取引台帳などの営業秘密を持ち出したとして不正競争防止法違反の疑いで逮捕された。
兼松の派遣社員の女性に対し、「個人的に集めた出張先の海外の飲食店のリストが見たい」とうそを言って、IDとパスワードを聞き出していた。
(ニュース提供元:時事通信社)
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