【エルサレム、ワシントン時事】パレスチナ自治区ガザの北部にあるガザ市の病院が17日、空爆を受け、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると500人以上が死亡した。避難場所になっていた病院の敷地内に着弾したという。ガザ当局はイスラエル軍による空爆と主張。がれきの下には多くの人が閉じ込められており、犠牲者は増える可能性がある。
 イスラエル軍は、武装組織「イスラム聖戦」が撃ったロケット弾が誤って病院に当たったとの見方を示し、関与を否定した。
 ただ、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスへの攻撃を続けるイスラエルに対する反感が、アラブ諸国を中心に高まることは必至。米国など西側諸国はイスラエルに民間人保護を訴えており、事態沈静化へ向けた各国の取り組みに影響を及ぼす可能性もある。
 パレスチナ自治政府のアッバス議長の報道官は「凶悪な犯罪だ」とイスラエルを糾弾した。アッバス氏は3日間の服喪を宣言。ヨルダンからヨルダン川西岸の自治区ラマラに戻り、対応を協議した。
 ヨルダンではバイデン米大統領やエジプトのシシ大統領も参加する首脳会談が予定されていたが、米高官によると、バイデン氏はガザの「病院爆発」で多数の死傷者が出たことを考慮してヨルダン訪問と会談を延期。犠牲者に哀悼の意を表明した。 

(ニュース提供元:時事通信社)