【シドニー時事】ニュージーランド南島クライストチャーチのモスク(イスラム礼拝所)で計51人が死亡した2019年3月の銃乱射テロ事件で、初動対応が適切だったかを検証する調査が24日、同地の裁判所で始まった。事件に対処した警察官や救急隊員らから聞き取りを行い、当時の状況を詳しく調べる。調査期間は1カ月半。
 調査を指揮するウィンドリー検視官は冒頭、「将来、同じような犠牲者が出るのを減らすことが目的だ。残虐な事件から教訓を得たい」と趣旨を説明した。事件の目撃者や遺族らからは「被害者が長時間モスク内に留め置かれた」「モスクの非常口が開かなかった」といった指摘が出ており、調査では救護措置や危機管理体制に不備がなかったかを検証する。
 事件の刑事裁判は20年8月に終了し、実行犯のオーストラリア人、ブレントン・タラント被告に仮釈放のない終身刑が言い渡された。 

(ニュース提供元:時事通信社)