災害が多発する中、ペットとの避難も考えておくべきことである(出典:写真AC)

横浜市で意見交換

5月11日、神奈川県横浜市神奈川区の市民防災センターにおいて「防災ギャザリング」というイベントに「ペットの救急法とペット防災」ブースを出させていただいた。

■ペット救急法、非常炊飯… 有事に備え横浜で体験学習(Yahoo!ニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190512-00000001-kana-l14

多くの防災に関心を持つ方々や横浜市役所の防災・危機管理関係者、自主防災組織のリーダー、一般住民の方々など約100名近くとさまざまな、「ペット防災」についての意見交換を行った。

その中で、特にペット防災について意識の高い方々からの質問で、多かったのは下記のような、避難所でのペットの管理方法や組織体制、ペット連れの飼い主の受け入れ判断や必要な事前準備についてだった。


New York Signs New Pet Evacuation Law(出典:YouTube)

米国ニューヨーク州ではペット避難法が制定され、災害時には飼い主がペット連れで電車やバス、ボートなどで避難できるようになった。

https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-signs-legislation-allow-pets-public-transportation-state-emergency-and

避難所の準備について

また、私たちのブースを訪れた皆さんから寄せられた質問に対して回答を行った。いくつか紹介させていただく。

質問1:すでに環境省が、ペット同行避難や同伴避難なども含めた災害対策ガイドラインや各種必要書類などを提供している。これらの書類をどのように自分たちが担当する避難所で活用し、自分たちに合った避難所を応急から固定まで段階的に準備し、どうやって避難所入所時にペットを連れて避難してきた住民に説明して、記入していただいたり、記載内容を確認したり、書類の不備などを指摘したりすればいいか。衛生面への配慮やトラブルを予防しつつ、ペットを継続的に管理して、安全に運用するべきなのか? どこかにモデルケースがあるか?

これについては下記の資料などを研究して、自分たちの地域の事情に応じて行う必要があるが、避難所設営側の意識の違いなどで、なかなか、まとまらないというのが実情だという。

■災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html

■人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html

質問2:具体的なペットの管理施設を避難所近くに設営する場合、動物ごとのケージの設置方法や獣医が巡回診療時に使う診療台の配置方法や治療などに薬品の管理や必要なスペースなどのレイアウトの基本的な平面図や写真などはあるか?

下記に資料に実際に設置された平面図や写真などが掲載されているため、ペット避難所設営計画とマニュアルを作成し、実際の設営手順などをシミュレーション訓練し、いずれは動画によるマニュアルなどが必要ではないかという意見もあった。

■被災ペット救護施設運営の手引き(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3103.html

質問3:もし、管理中に動物同士のけんかによる死亡事故や感染症のまん延などが発生した場合、動物愛護法の動物虐待として、懲役や罰金に処せられるのではないか?

これについては、弁護士に聞くしかないが、動物事故の詳細内容によるのと、ボランティアによるペット避難所運営において、どこまで責任を求められるのか?飼い主との免責同意書などが必要に思うなどの意見があった。

他にも飼い主側の防災教育の普及や課題についてなど、さまざまな意見があったが、1時間以上意見交換し「いずれにしても環境省がここまで準備してくれているのだから、あとは自分たちで、ペットと避難生活するために何とか頑張りましょう!」と笑顔で別れた。

いざという時のために事前情報と準備

下記の資料は多くの動物関係者に読んでいただきたいのと、やはり、飼い主へのペット防災意識の向上を目指す上で、大変、重要な情報だと感じた。

■災害、あなたとペットは大丈夫?(環境省)
人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a.html

また、避難所や民間避難施設などにペット連れで入所する際の書類については、自治体により内容やレイアウトが様々だが、様式は異なっても、下記のような書類を平時に飼い主に記入して、準備していただき、非常持ち出ししていただくことで、入所の手間が大きく省けたり、また、管理側も運営が楽になるという意見があった。

■ペット避難台帳(Word)
https://petsaver.jp/download/Pet_Information_Ledger.docx

■ペット避難台帳(Excel)
https://petsaver.jp/download/Pet_Information_Ledger.xlsx

■ペット避難台帳(PDF)
https://petsaver.jp/download/Pet_Information_Ledger.pdf

※上記は自由にダウンロードしてお使い下さい。
※記入例は各施設の受け入れ対応状況に応じて作成してください。

すでに予算化されているところもあると思うが、いずれは避難所指定されているすべての小中学校は設計の時から、体育館に限らず災害時の避難を想定したバリアフリー化や空調設備の完備はもちろん、下記の配備も考慮し、動線なども配慮した内容が望まれる。

・災害ゴミ置き場
・仮設シャワー設置場所
・緊急車両出入りスペース
・ペット管理施設場所
・伝言板や掲示板スペース(安否確認など)
・支援物資の受入れスペース
・支援物資保管スペース
・日常生活ゴミ出しスペース(分別)
・女性専用スペース(授乳・更衣・洗濯干し場など)
・仮設トイレ追加スペース(女性3:男性1)
・仮設電話設置スペース
・仮設充電スペース
など

そして、各施設の部分的な仮設訓練や運用方法等を実際に少しずつ、行うことで、発災時の住民生活の安全を地域のチームワークを基に自分たちで守れるように思う。

(了)


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
ペットセーバープログラム
https://petsaver.jp
info@petsaver.jp