「ここにいてはダメです」と表紙に書かれ、反響を呼んだ江戸川区水害ハザードマップ(https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/519/sassi-ja.pdf

ここにいてはダメなのは江戸川区だけじゃない

東京都江戸川区のハザードマップ、「ここにいてはダメです」は、SNSでも話題になっていますね!

江戸川区のツイッターでも反響について書かれていました。

ところで、この江戸川区のハザードマップ、防災関係の方は「どこかで見たことある」と思ったことでしょう。

実はこれ、2018年8月に設置された「江東5区広域避難推進協議会」が作成した「江東5区大規模水害広域避難計画」および「江東5区大規模水害ハザードマップ」でこの図の基は公開されています。

さきほどの図との違いを見比べてみてください。

基になった図では江戸川区だけではなく、江東5区の足立区、葛飾区、墨田区、江東区すべてに「ここにいてはダメです」と書かれてあるのです。江戸川区の方だけだと思っている方もいらっしゃるので、ご自身の地域のハザードマップをもう一度確認してみてくださいね。

付録にマイ・タイムライン

さて、そんな、攻めてる江戸川区ハザードマップですが、ただ危険を知らせているだけではなく、個々人が自分の問題として避難を考えられるようマイ・タイムラインも付録として入っているのです。

江戸川区の「わが家の広域避難計画」のマイ・タイムラインは、ステップ1で「わたしの家は」という自宅の状況を書き込むようになっています。場所によっては3~4階まで水没することが予想されているので、自宅が何階であるかが重要になります。

それだけでなく、4階以上でも2週間水没する場所があり、その場にとどまることができないと想定されています。

そのため、「わたしの家は」の記載欄に「どのくらい浸水が続くか」を書き込むようになっています。

江戸川区でワークショップも実施しましたが「5階以上だからとどまりたい」という本音も出ていました。けれど、とどまった場合どうなるかについてもわかりやすく書かれています。

そして、避難場所の記載は広域である他府県(たとえば親戚の家)を書き込む欄があるのが特徴的です。避難場所も行政区域内が想定されることが多い中、広域避難を検討しなければいけないという現実を一言で伝えた「ここにいてはダメです」は、すごいですよね。防災流行語コンテストをリスク対策.com主催で実施したとしたら上位に入るかも! なんて思いました(書いてたら、コンテストやりたくなりましたけど編集部の方どうでしょう?)。

72時間前から行動しないと間に合わない

また、江戸川区 マイ・タイムライン作りの特徴は、避難準備開始が3日前の72時間前から記載できるようになっているのが特徴的です。

江東5区は人口が多い(約255万人)ので、住民が一斉に避難すると大混乱、大渋滞が起こるからです。早く準備をして、避難を開始しないと、逃げたくても逃げられない状況に陥りやすいのです。ですので、計画の立て方が3日前からと早いのが特徴です。

でも、悲観的な状況ばかりではありません。江戸川区でワークショップを実施したと書きました。ワーキングマザーの方を中心にした子育て世代の方が、危機管理課や、ボランティアセンター、助産師会など様々な方とつながって話し合う時間を設けた防災ワークショップは盛況で、100名近く参加されていました。

■2019年 6月1日 江戸川区防災ふらっとカフェ 4回 こどもを守れる親になる 日常を防災仕様に 防災×アウトドア(ハギュット協会)
https://www.hugyutto.com/blogs/blog_entries/view/119/52b995e698e44c5236b4e77ec2f32b46?frame_id=174

そして、子育て世代だけではなく、防災を通じていろいろな地域の人と繋がった事が好評でした。危機をきちんと共有することで、本音と本気でつながることができるのだと感じました! 江戸川区に住んでいる方の今後の動きが楽しみです。

赤プルさんゆかりの「逃げキッド」

次に紹介するのが、こちら。
赤プルさんも記事にしてくださっていた「逃げキッド」です。

防災イベント、初めて主催しました!
https://www.risktaisaku.com/articles/-/17622


マイ・タイムラインで逃げ遅れゼロ~洪水からの自分の逃げ方を考えよう~(出典:YouTube)

逃げキッドは2015年9月に発生した関東・東北豪雨災害の反省から作成されました。鬼怒川の決壊等により、茨城県常総市はおよそ3分の1が浸水し、避難の遅れや避難者の孤立によって約4300名が救助される状況になりました。 この後、ハード面とともにソフト面としても、情報が発信されていたのか、発信されたとしても、逃げ遅れてしまうのはなぜなのか、情報を自分たちで把握して、自分ごととして避難してもらうために、どうしたらよいかということについて、関係諸機関と住民が一緒に検討した末にできあがったのがマイ・タイムライン「逃げキッド」です。

逃げキッドは実際に住民がマイ・タイムラインを作成しながら完成させていったコンテンツなので、実践的な叡智が集約されているのが特徴だと思います。そんな、逃げキッド作成に至るまでの詳しい経緯はこちらでわかります。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000669989.pdf

この経緯を知ると、思いがつまって真面目なコンテンツという感じもする逃げキッドなのですが、「ここにいてはダメです」に負けないくらいいろいろ攻めているんですよ。

まず、この「逃げキッド」という名前、茨城弁で逃げ切るぞという意味も込められているのです。
ここ、ポイント!

さらに、逃げキッドを見た時に衝撃的だったのが、袋に書いてあった逃げキッドが「あるとき」「ないとき」のマンガです。これを見た関西人なら、あれを思い出さずにはいられないですよね!

551蓬莱CM(リビング編)2017(出典:YouTube)

ない時がどれだけ北風が吹きすさぶのか、551の「ないとき」のイメージと重なって、「絶対マイ・タイムライン作らないと!」と私は意気込みました。みなさんはどうですか?

そして、マイ・タイムラインに直接書き込むのはハードルが高いという声もあったので、まずはチェックシートとして書き込めるようになっているのが丁寧です。実践をつんだからこその声の反映ですね。

ペットの有無や、支援が必要な人がいるか、あらかじめ書いておくと、マイ・タイムラインに書き込む時、早めの避難を意識できますよね!ここ、地味だけど大切な要素だと思いました。

ただ、書き込むだけでは小学生は飽きてしまうので、クイズを入れてみたり、シールを貼るようにしたり、ほんと、細やかな工夫があるのが「逃げキッド」です。

こちらのマイ・タイムラインに下記のシールを貼ります。

下記お問い合わせサイトからPDFでダウンロードして誰でも作成できます。それだけでなく、動画でも細やかに解説があるのも嬉しいです。全国に先駆けて作成された逃げキッドなので、資料も充実しています。もちろん、全国どこでも実施していただいていいのです。

Part1「逃げキッド」ってなぁに?(出典:YouTube)

逃げキッドのお問い合わせは、こちら

■国土交通省 関東地方整備局 下館河川事務所
http://www.ktr.mlit.go.jp/shimodate/shimodate00285.html

さらに、逃げキッドでは、マイ・タイムラインリーダー認定制度も実施しています。

赤プルさんはこちらのリーダーとしても活動されているので、赤プルさんに実施をお願いしたい方は、こちらの太田プロダクションに連絡をすれば良いそうです!

https://www.ohtapro.co.jp/request/

こった作りの「東京マイ・タイムライン」

最後にご紹介するのは、東京都が2019年5月に発表したばかりの「東京マイ・タイムライン」です。PDFではダウンロード開始しており、配布は6月上旬から随時となっています。

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/mytimeline/1006417.html

小学校1〜3年用、4〜6年用、中学生用、高等学校用、大人用と分かれていて、それぞれをダウンロードできます。

写真を拡大 小学校4〜6年用(東京マイ・タイムラインより引用)

また、東京マイ・タイムラインにもシールが付いていて、中学生から一般は同じ内容のシールになっています。

 

東京都のものはシールがこっていますね。

以上、今、流行っているのかな? と思う各地のマイ・タイムラインについてお伝えしました。

ダウンロードも可能なので、みなさんの地域やご家庭の状況にあわせて、自分で納得のいくマイ・タイムラインが作成できますように!

(了)