京都アニメーションのスタジオ火災で身柄を確保された男は、1階出入り口付近でガソリンをまいて火を付けたとみられる。同社の関連ウェブサイトなどによると、スタジオ内は床や壁に多くの木材が使われ、アニメ制作のため大量の紙類などが置かれていた。専門家は、揮発性のガソリンが室内に一気に充満し、爆発的に可燃物へ燃え広がった可能性を指摘する。
 東京理科大大学院の菅原進一名誉教授は「狭い空間内で『爆燃現象』が起こった」と指摘。1階から3階までらせん階段でつながっていたことを挙げ、「上階に向かい急速に火炎が上り、木材や紙、プラスチックなどを含んだ室内を一気に燃やしたことで、大量の黒煙を出したのだろう」と話した。
 公益財団法人市民防災研究所(東京都江東区)の坂口隆夫理事も、火の回りが早いことや、火を付けたとみられる男自身がやけどを負っていることから、ガソリンによる爆燃現象の可能性を指摘。「爆発でガラスが割れたことで外から新鮮な空気が入り、らせん階段が煙突の役割を果たしたことで、より急速に燃え広がったのでは」と分析した。
 スタジオ内ではらせん階段とは別の、屋上に向かう階段で多数の死者が出た。坂口氏は「有毒ガスを含む煙が充満していると、避難する人は視界が遮られ、意識ももうろうとしてくる。倒れていた人につまずくなどして折り重なり、後続の人も屋上にたどり着けなかった可能性がある」と語った。 (了)

〔写真説明〕アニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで、現場検証する京都府警の捜査員ら=19日午前、京都市伏見区