雪の季節が到来しました。昨年2018年2月福井県を襲った豪雪災害を、皆さん一緒に思い起こしましょう。豪雨災害と同じように雪による災害の怖さをおさらいし、記憶にとどめ、教訓を学び直ししたいと思います。

福井県内では昨年2月4日(日)から冬型の強い気圧配置となり、嶺北を中心に5日(月)~13日(火)にかけ最深積雪となり「昭和56年豪雪」以来37年ぶりの記録的な大雪になりました。

※主な被害状況
① 公共交通機関が終日運休
② 自動車道が通行止め
③ 国道では約1500台の車両が長時間滞留。特に嶺北でまひ状態
④ 学校が休校
⑤ 企業が休業
⑥ 灯油やガソリンなど生活物資が不足
⑦ 県民生活、観光、農林水産業などの経済活動に大打撃
⑧ 約1カ月間で死者12名、重軽傷113名、建物被害123棟、農業用ハウス被害900棟超など

さらに、道路の混乱が県民生活に大きな影響をもたらしました。その理由は、37年前(「昭和56年豪雪」=五・六豪雪時)に比べて県内の自家用車保有台数が2.7倍に増えたこと(ちなみに道路延長は2割以上増えている)、コンビニ、スーパーへの物資配送が時間単位で行われていること、高齢化や、福井市などでは居住者が郊外へ移り交通への依存が高まっていること、などが考えられます。

一方、今後、高齢化が進む中では、支援体制の確保、安全な除雪、高速道路・国道など基幹道路の速やかな除雪・消雪対策、JRなど公共交通機関の除雪体制の強化、県民生活に直接かかわる食品や燃料の優先的確保、県民への情報伝達方法、などが課題として挙げられます(福井県のホームページ、福井新聞の記事を参考にさせていただきました)。

当時の食の実態を追跡し、教訓を探るために当時の実態をまず把握しました。

積雪の状況と生活実態のずれ

生活物資不足(食関連店舗事情)による困窮と混乱(2.7.14 社会)1)の記事を参考に、住民生活に関わる問題点を以下にまとめました(表1)。 

問題点を要約しますと、「ヒト」については、家の外に出られず、仕事にも行けないことから、不安やストレスが募り、仕事へ行けない。「モノ」については、交通手段がなく移動ができず、「情報」については、不明なものが多く、遅い。結果として、家にいるしかなく、収入が途絶え、経済的な損失まで大きくなったことが考えられます。

こうした問題に対する、自助、共助、公助の3側面からの行動をまとめました(表2)。

見てお分かりになるように、「自助」としては、自力の限界を超えていて手出しができない状況です。八方ふさがり。除雪しなければ何ごとも始まりません。
「共助」に関しては、他人の面倒を見る余裕がなく、ほぼ不能。小規模範囲ではできますが限界があります。さらに「公助」としては、人手不足や積雪で歩けないことから、備蓄食品の配布などはほぼできない状態となります。つまり、共助や公助が限界となる状況では、事前の備蓄を強化することが何より重要になります。

福井雪害が人々に与えた損害は有形、無形を含めて想定外に大きなものでした。
飲み物、食べ物の備蓄が少なかったことは地元紙の紙面からも読み取れます。大雪が積もり始めて生活が復帰するまでの約19日間、住民は節約と我慢で耐えていました。背景には広域雪害への油断があったのでしょう。飲み物と食べ物の備蓄と自立の心がけが普段からあれば、不安の多くは解消されたかもしれません。特に災害弱者(病気、障がいのある人々)は普段の生活を維持するために、特に入念な備蓄を各自心がけることが大切です。 

一般に浸透している「備蓄は3日間」という空虚な絵空事は今回の雪害では通用しませんでした。備蓄は居住空間、車内、公共施設(例えば宿泊施設)においてそれぞれ必要であることが判明したのです。自助と自立の精神を常に持ち合わせることこそが、最重要であることを教訓として学びたいものです。また、こうした雪害の背景には住民の高齢化、車依存、福井市郊外へのベッドタウン化・相反する集中化が挙げられます。

1 福井新聞 2018年2月7日1面【2版】14社会、15社会【2版】2福井ワイド.すべて取材班.
2 福井新聞 2018年2月8日1面 18社会、19社会、3福井ワイド

(了)