災害の知識を無理なく楽しく継承できるさまざまな学習教材

熊本地震から今日(4月14日)でちょうど1年、東日本大震災から6年が過ぎました。残念ながら震災の報道が増える時期だけ思い出して、あとは防災への関心が薄れた方がいるかもしれません。助けられなかった命のことを考えると決して忘れてはいけませんが、そうは言っても「忘れないように意識する!」という決意だけでは、心許ないですよね。日々の生活に追われてしまいますので。
    
だから、こんな風に思っていて欲しいのです。忘れてもいい。だけど、日々の生活そのものの中に、防災や減災を組み込む事で、意識しなくても防災・減災が実践できて、継承されてゆく、そんな生活スタイルを作ってしまおう♪って。この連載ではずっと生活への取り込み方を提案しています。

ということで、今回は新学期におすすめ!災害の知識を無理なく楽しく継承できる、とっておきの学習教材たちを紹介します。

まずは、こちら。

「ボカロで覚える中学理科」(Gakken) 1600円(税別)

ボカロですよ!ボカロ!

子どもたちが防災に関心を持ってくれないとボヤく間があればボカロ歌って欲しいです♪

防災関係の方に聞いていただきたいのは3曲目「厨病理科ボーイ」です。原曲「厨病激発ボーイ」という曲の替え歌になっているので、こどもたちはすぐ覚えちゃいます。

ボカロの超絶早口で飛ばしていくので、一曲の中に気象と天気の変化、火山や岩石、そして地震と地層についての重要用語が盛りだくさんです。

仕組みをゆっくり説明というより、重要用語の一発暗記みたいなノリですが、「震源が近いほど初期微動継続時間が短いです」なんてフレーズを歌って楽しめるなんてすごくないですか?

以下で視聴できます!いきなり、家や職場で大音量で流すと、どうしちゃったの?とびっくりされるかもしれませんからご注意を!


「ボカロで覚える中学歴史/理科」全20曲視聴 (出典:Youtube)

CDが付属でついていますが、本の中のQRコードを読み込むと、ARアプリが起動して、曲のイメージ動画を見る事ができます。

これがまたデザイナーの方が凝った作り込みをしているのです。いままでの防災教育では見た事がないくらいの技術が注ぎ込まれたコンテンツなので、使わないのはもったいないです♪

ちなみにこのシリーズ、個人的には歴史もかなり面白いです。「千本桜」の替え歌で日本の歴史をざっと覚えられたり、「縄文炸裂ガール」という曲では、「ふるえる埴輪を抱きしめて♪」 なんてシュールすぎる歌詞で涙でます。

学校でも、重要用語の暗記はボカロで覚え、テストは歌えたら合格ってことにしてはどうでしょう?そしてどうしたら減災になるのかについて、こどもの柔軟なアイデアを話し合うアクティブラーニングが増えればいいなと思います♪

「うちの子、天才?」と思ってしまうかも!

さて、お次はこちら。さすがに耳の繊毛が傷みそうな激しい曲は未就学児にはちょっとという方にもおすすめです。

「うたって覚えよう 理科ソング 地学編 」(しちだ教育研究所)3200円(税別)

こちらは童謡のような穏やかな曲から、アップテンポでも児童の定番曲、エビカニミクス(ケロポンズ)のような、子どもが踊りだしたくなるようなリズムで構成されています。

楽しそうですぐに覚えられるにも関わらず、専門用語が満載です。

ボカロ曲では、1曲の中にまとめられていた「大気圧と天気」「堆積岩と火成岩」「示相化石と示準化石」そして「地震」項目が1曲ずつに細かく説明されながら、歌になっているのです。

先カンブリア記〜新生代までスラスラ言えたり、太陽系の順番も覚えられるし、星座の名前と位置、雲の種類の巻雲と巻積雲、巻層雲なども、こどもならではの暗記力で覚えてくれると「うちの子、天才?」と思えること間違いなしです。

小さい子ほど覚えてしまうので、気負わず、春の行楽ドライブ中のBGMとして聞いてみてください♪

地震分野についていえば、震源と震央、震度とマグニチュードの定義が歌になっています。

定義をさくっと言えるとかっこいいですよね。
「地震が起きた場所 震源♪」とか「エネルギーの大きさはマグニチュード♪」とか♪

このCDだけで中学校の地学分野は網羅してしまっています。そして、中学理科の知恵がきちんと身についていれば、天気図も読めるし、風が吹く方向も、星の位置もわかるので、アウトドアフィールドでのありえない事故が減るはずです。

地震や火山のメカニズムがわかるキットも!

さて、定義を歌で覚えたら、次にチャレンジしていただきたい教材はこちら。

「うごめく地球!地震のメカニズムキット」(アーテック)1400円(税別)

中には、

1、海溝型地震の発生機と
2、正断層、逆断層、しゅう曲
3、建物の構造実験(耐震と免震と制震)


の3種類の教材と詳しい解説書が入っています。

海溝型地震の発生機は、小学生であれば簡単に作成できる優れもの。地域の方が防災講座を開催する時に一緒に作ると楽しいと思います♪

できあがるとこんな感じで動きます!


(出典:YouTube)

解説書がとても詳しいです。大人よりこどもに解説する方が難しいのは、「海洋プレートが対流によって大陸プレートの下に沈む」と言っても、そもそも「対流」って何?ということから説明できないと伝えられないからです。

そんな基礎の基礎から分かりやすく説明されています!

「うごめく地球!地震のメカニズムキット」に入っている断層モデル
同じキットの中に入っている建築物の耐震、免震、制振、なにもなしによる揺れ方の実験セット

その他、アーテックの教材の「火山のメカニズム」も面白いです。火山灰の噴火や噴火の威力、マグマの粘性による山の形の変化が実験できます。ひとりで実験するより、防災教室などみんなで実験すると楽しさも倍増です♪
 

「ドカーン!火山のメカニズム体験キット」(アーテック)1400円(税別)

防災グッズをいくら準備しても、いざという時、それが目の前にない場合もあります。でも、知識や知恵は自分を裏切りません。学び続ける楽しさと、何もなくても知恵をいかして、自分で判断し、決断し、行動するスキルこそ、こどもたちに最も身につけて欲しい防災スキルだと思っています。

さて仕組みがわかったところで、今度は普段の生活に防災を取り入れてしまいましょう。

例えば、こんなファイルは仕事でも使えます♪

「世界の震度分布 ファイル」380円(税別)「日本の地震活動 ファイル」380円(税別) (共に東京大学 地震研究所) 東京大学売店や国立科学博物館、地図センターネットショッピングで購入可能


先日、リスク対策.comでも紹介されていた防災マスキングテープもおすすめです。

津波や洪水イラスト、13種の防災ピクトグラムのマスキングテープ(NPO法人防災デザイン研究会)1個(10m巻)350円、3タイプセットが1000円(いずれも税抜き)

■津波や洪水示すマスキングテープ 防災デザイン研究所、防災学習イベントに
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2459

私はこのハザードマップ柄を郵便物の封緘用として使っています♪「何?これ」と聞かれたら、おもむろに防災について語るきっかけになったりしますから、普段から使うことを強くおすすめします!

ということで、意識しなくても生活に防災が知恵として取り込まれている、そんな新学期をスタートしていただければと願います♪

(了)