防災担当になったら、レインウエアこそ、まずはそろえていただきたいマストアイテムです(画像提供:写真AC)

そろそろ梅雨入りの季節ですね。

昨年、レインウェアの記事を書きましたが、読んでいただけましたか?

『災害時も役立つレインウェアを普段使いに 「寝るな、寝ると死ぬぞ!」は間違い?』(2016年6月9日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1839

上記では、ただの雨具にとどまらない、災害時も役立つアウトドア用レインウエアの仕組みとこんな小技も紹介しました。

大人用と子ども用をジョイントさせて、ママコートにすることができます(画像提供:あんどうりす)

ジッパー(ファスナー)の規格が同じであれば、大人用と子ども用をジョイントさせて、ママコートにすることができるのです。子どもが赤ちゃんの時に発見しました。歩けるようになったら普通のレインウエアとして着せたので、6歳まで同じレインウエアを使い倒すことができたのです。そうすると、高いお買い物でも長く使えばトータルのコストは変わらないですよ、かさばる上着を減らせるから転倒する家具も不要になりますよっていう小技です。

これ、結構、人気なのですが、そうするとこんな悲しい声もご連絡いただきました。

工夫で長く使えるのが分かったので、その方、ママとお子さんの分を購入されたそうです。パパのは、予算がないから今回は買わず。家族旅行のぶどう狩りの時、雨だったので着用してみたら、パパだけずぶ濡れ、ママとお子さんは蒸れもなくさらさらで、「全く性能が違うことがわかりました」というお話でした。

パパ・・・・・・・・・・・・。

男性のみなさん、特に「リスク対策.com」読者の方は防災担当の方が多いと聞いています。是非、予算がなくても、ご自分のレインウエアは確保していただきたいと思うのです。

防災担当になったら備蓄品をまず意識される方が多いのですが、出動回数の多さから言っても、レインウエアこそ、まずはそろえていただきたいマストアイテムです。

でも、自分には防災専用のレインウエアを購入する予算がとてもじゃないけど割り振られていない・・はいはい。わかりますとも!よくある声ですから。

今回は、スーツにも使える、アウトドアっぽくみえないけれど、アウトドア性能を持つレインウエアたちを紹介しますね。また、具体的な製品を見ていただきながら、なぜレインウエアが重要かを今年も再確認していただければと思います!

まずはこちら。モンベルトラベルレインコート

     

            モンベル トラベルレインコート
http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1128548

                                   2万9500円(税抜き) 品番 #1128548
    

襟もついていて、フードも外せますので、見た目も普通のビジネスコートですね!でも、こちら、アウトドア製品でよくあるゴアテックスという素材が使われています。

 
 
ゴアテックス®ファブリクス
パックライト®プロダクト テクノロジー


抜群の軽量コンパクト性としなやかさを備える。世界最高レベルの防水透湿性を誇りつつ、抜群の軽量コンパクト性を実現した素材。裏地を使用せずに特殊な微粒子を固着することでメンブレンを保護。しなやかでドライな着用感。

 

GORE-TEXは、1cm2に14億個以上の孔(あな)がある薄い膜です。この孔によって本来は相反する性質である防水性と透湿性を両立させています。

まず防水性はレインウエアにとって最も重要な機能です。でも、普通のレインコートは撥水機能だけしかないものが少なくありません。撥水性というのは、生地表面で水を防ぐ性能にすぎません。アウトドアで表示される防水性能は、耐水圧(mm)で測定されます。生地の表から水圧を加えて、裏地まで水が染み出した時の高さを表示しています。例えば、傘の耐水圧は200〜500mmくらいなのですが、GORE-TEX ファブリックス3レイヤーでは4万5000mm以上です。水たまりの上に傘生地を敷いて座ったら水が染みてきますが、GORE-TEXだと、水たまりに座ろうと、雪の上で寝ていようとも、染みてこない、そういう耐水圧があります。

小雨だと500mmあれば防げますが、嵐になるほどの雨では、2万mm以上必要です。登山用をうたうものは2万mm以上を使っている事が多いです。

次に透湿性ですが、透湿性とは、ウエア内の汗などの水蒸気を効率良く放出する機能です。生地が24時間に放出した水分量を計測するので、単位はg/m2・24hrsになります。GORE-TEXは1万3500 g/m2・24hrsあります。孔の大きさが雨や雪よりも小さいけれど、水蒸気分子よりは700倍大きいので、水蒸気は通すのです。通気性とは異なるので、防風性を維持したまま、透湿性を持つことになります。

防寒の記事でも書きましたが、暑さ、寒さを防ぐ知恵は、水と風と空気をコントロールすることとお伝えしました。

「風の強い日にフリースをアウターに着るのは間違い?!水と空気と風をコントロール。アウトドア流着こなし術を身に着けよう!」(2016年10月5日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2071

衣類に水がつくと、気化熱によって体温が下がります。濡れると3倍の速さで体温は下がります。そうすると低体温症になり命を奪ってしまいます。日常生活では、濡れると死ぬという感覚は理解しにくいかもしれませんが、災害時は低体温症による死亡例もありました。耐水性によって、きちんと水を防ぐ、そして、透湿性によって、内にこもり、蒸れて濡れてくる水蒸気もコントロールする。だから、外からも中からも濡れないし蒸れないのがアウトドアの透湿防水素材のレインウエアは防寒にも最適なのです。さらに、防風性もあります。風速1mで体感温度は1度下がるので、風が吹くだけで梅雨の時期でも寒く感じます。

水と風を防げるアウトドアレインウエアは、雨の際の最強素材というだけでなく、雪対策にも、防寒対策にもなり、年間のうち稼働率の高い防災ウエアになるのです。

また、コンパクトに持ち運べるのも特徴です。
 

トラベル レインコート&ランブラーレインコート


大変コンパクトに収納できます

ビジネスバッグなどに容易に収納できます(画像提供:モンベル)


収納時は縦18cm、横9cm、総重量322gになります  

 モンベル トラベルレインコートMen's
 

これは、GORE-TEXのメンブレンという薄い膜と、バリスティック エアライトという、極細のバリスティック ナイロン糸を高度な技術で織り上げた素材の表地を組み合わせているからです。

               バリスティック エアライト®
 

極細のバリスティック®ナイロン糸を高度な技術で織り上げた素材。充分な強度を備えながらも抜群の軽量性と薄さを実現。軽量・コンパクトをコンセプトに開発される製品に幅広く採用している。製品の特性に応じて、ストレッチ性を付加した素材や、優れた透

                                                 湿性を備えた素材を使い分けている。


こちらのモンベル製品は、ゴアテックスメンブレンにバリスティック エアライトの表地を貼り、もう片面に摩耗性に優れた特殊な微粒子を固着させるパックライト プロダクト テクノロジーという技術を使っているので、軽量でコンパクトになったのです。

18cm×9cmに収納でき、重さも322gですので、かさ張りません。

高性能とコスパのよさが魅力の製品です。

次に紹介するのは、AIGELのGORE-TEX 3L ステンカラーコートです。

 

   GORE-TEX 3Lステンカラーコート
   https://www.aigle.co.jp/products/ZBH1400/002   
   品番 ZBH1400
   4万8600円(税込み)

生地はGORE-TEX 3Lを使用しています。これは、ゴアテックスメンブレンの上に撥水素材そして内側に裏地と3枚重ねになっているので3レイヤー言われています。

ジッパーは止水ジッパーを使用しており、その光沢を胸元のアクセントにしていますね。せっかく透湿防水素材を使っているのに、ジッパーから水が入ってくるようでは、豪雨の際には、あっというまにびしょ濡れですからね。ジッパーの性能は大事なのです!

アウトドアっぽいのは仕事で使いにくいという方でも使いやすいデザインではないかと思います!

女性用も、普通のレインコートに見えますね!                 

 

      GORE-TEX トレンチコート
      https://www.aigle.co.jp/products/ZBF1400/002
      品番 ZBF1400
      4万8600円(税込み)


男性用同様に、GORE-TEX 3Lを使っています。
カラーはピンク、ベージュ、ネイビーとどんな服にも合わせやすそうな色ですね!
 

次はこちら。ColombiaのウィンズテイクランドⅡジャケット

 


      ウィンズレイクランドIIジャケット Winds Lakeland II Jacket
      2万2680円(税込み)


スーツだけでなく、カジュアルな服装にも合わせやすそうなレインウエアです。

素材は、オムニテックテクノロジーというColombiaの独自の透湿防水素材を使っています。アウトドアメーカーは、GORE-TEX以外にも、独自ブランドの透湿防水素材を持っていることが多いです。メーカーにもよりますが、より汎用性のある価格帯として展開されています。オムニテックは使用する型により耐水性の数値は異なっています。写真は両方とも、耐水性は1万mm、透湿性は6000 g/m2・24hrsです。


女性用は同色だけでなく柄のあるものも♪

 

               ニードルドームウィメンズジャケット Needle Dome Women's Jacket
              
http://www.columbiasports.co.jp/category/womenswear/2/
            1万8360円(税込み)
 

最後はこちら。スノーピークの2製品。

この3レイヤーソフトシェルは伸縮性のあるスノーピーク独自の透湿防水素材です。耐水圧2万mm、透湿性は1万 g/m2・24hrsです。

ビジネスにフィットすることをコンセプトにしていますので、年代を選ばず使いやすいデザインです。

 

          3レイヤーソフトシェルコート
          https://store.snowpeak.co.jp/page/1391
          4万8000円(税抜き)

スノーピークは他にも防水ではなく撥水素材ですが、ジャケットも出しています。

レインウエア、そのものが苦手という方も、ジャケットそのものでまずは濡れない事に気を使う生活を始めるのもありかもしれません。

 

       ウォーターレジスタンスコンフォートトリップジャケット

      https://store.snowpeak.co.jp/page/1287
      3万8000円(税抜き)


ということで、いくつか商品を見ながら考えてきましたが、もしも透湿防水素材を選ぶなら、ここもチェックしてください。シームレスという布と布をテープのようにつなぐ処理があるのですが、これがちゃんとしていないと、いくら生地の性能がよくても濡れてしまいます。

使う場面が、メインがビジネスなのか、それともある程度ハードな現場に出ることもあるのか、それらを総合的に判断して、選んでいただければと思います。

ただし、高いから、もう100円程度のビニールカッパでいいわ・・・というのは、防災に携わっているなら絶対にダメですから!

濡れるわ、蒸れるわで、体温が下がりやすく、助けられる側になってしまうし、あなたを救助する人の2次災害の危険もあります。

日本では梅雨にしろ豪雨にしろ毎年必ず雨による災害が予想されるのです。それに対して、レインウエアさえ準備しないなんて、ありえない!

ビニールカッパでさえも豪雨では役立たないのに、なんで防災本はすすんでビニール袋からカッパを作ろうとか勧めるのが好きなのでしょうね?できるだけ多くの人が透湿防水素材のレインウエアを持っていたら、助けられる人が減ります。どうしようもない時の、0よりましという程度の最後の手段ばかり教えるのではなく、いつも来る雨に対してはベストな対策も普及させることが命を守るのではないでしょうか?命を守る技術がちゃんとあるのに、そしてこれだけ雨が日常でもあるのに、普段から使わないのって、自然から離れた生活をしすぎているのかなとも思います。

いつもちゃんとしたレインウエアを着ていれば、豪雨の時に地震があっても、それを着ているから雨対策には困らないはずです。

ということで、今年こそはレインウエアご用意ください!

予算がないという方は、この日をぜひご利用ください!

6月18日は父の日!

レインウエアのためにあるような日程ですね!

(了)