大人もはまる素敵なLEDランタンづくりしませんか?
無印良品のアレやレモン絞り、磁石つきスパイスケース、知恵があればいろいろなものがランタンに!
2017/09/22
アウトドア流防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
先日、東京消防庁主催のワクワク防災体験教室で講師を務めてきました。その際、実施したのが、LEDを使ってのランタンづくりです。
講師を受けるに際して、ちょっとこだわらせていただいた事があります。それは、ずっと連載にも書いていますが、いわゆる「身近なもの」を使った防災グッズつくりは、私はあまり好きではないということです。
何にも準備していなかったら身近なものが役にたつのは分かるのです。もちろん作る方法も教えられます。でも、台風だって豪雨だって、土砂災害だって頻発している昨今です。大地震はそうそう来なくても、停電くらいはあってもおかしくないと考えるべきだと思うので、なんであらかじめ準備しておかないの?と思ってしまうのです。
山に登る時、遭難したとして、「身近な衣類を工夫して着て山に行きました!」なんて遭難者が言おうものなら炎上必須ですよね。山をなめるなとの声が多数を占めるでしょう。でも災害だって来るのは確実と言えるのに、なんでビニール袋で作るレインコートとか訳のわからないことやっているのだろう・・という想いがずっとあります。
また、これは防災イベントでの感想ではないのですが、子育て世代における「身近なもの恐怖症」ともいうべき話題を何度かお聞きするのです。
それは、こどもが当日になって、いきなり、「図工でペットボトルがいる」とか、「ラップの芯」がいるとか言い出すケース。なんで当日!ないんだけど!いまから、ジュース一気飲み?とか、朝の忙しい時間に京コンピューターかと思うほど、高速で対策を処理しなければいけない、あの恐怖感があってですね・・・「身近なものを準備」とか言われるだけで、体が強張るという・・(笑)
そして、高価なものと同等の苦労をして「身近なもの」を調達にしたにも関わらず(最近は古新聞セットが販売されていることも知りました)、学期末に持ち帰って来る作品のチープなことと言ったら。身近なものだから仕方ないのですが、こどもの作品なので、とっておきたいと思っても、なんなの?このペットボトルに梱包用ひもをほどいてひらひらつけだけのロケットとか、残念だけどゴミにしか見えない・・ということも、ままありまして。
でも後日の災いを回避すべく、すぐ捨てるのではなく、写真を撮って映像のみ保管ということでこどもに同意をとるという手順をふむ、そこまでやって初めて「身近なもの」を使ったミッションがやっと完結するという重たい現実があるという話もよく耳にします。
そんなわけで、いわゆる「身近なもの」をイベントで作って捨てられてしまわないように、できるだけ長く大切に使えるものだから、災害時にも使えるというものを作りたいというこだわりを持って、実施しました♪
どうやって作るの?家でもこどもとやってみたいという声をお聞きしたので、材料や手順、当日お話した一部を公開しますね。
まずは、LEDだけは準備しておこうよという話です。
いまさら電力を多く使う電球タイプのイラストを多用するのはやめてほしいという話を以前書きました。電球タイプを使わなければ単1の電池が必要になるのは、家庭ではコンロくらいです。だから、単1電池の作り方も不要になります。使うべきはLEDヘッドランプ。そして、それは生活で結構役立つし、災害時、ランタンを作ることも可能になります。
詳しくはこちらの記事を見てください。
■台風が来たら、家族みんなで影絵遊び?!LEDライトを普段から楽しく使おう!
電球型の懐中電灯はNG!LEDはヘッドランプがおススメ
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2001
また白熱電球は熱くなって火事の危険がある点についてはこちら。
■明治神宮外苑展示物火災による悲劇を2度と繰り返さないための5つの知見
こどもの白熱電球によるやけども多数。遊び場には絶対に置かないで!
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2116
ということで、イベントでは、LEDろうそくを準備しました。なんでろうそくかというと、それは、私がろうそくが好きだから!!そこか、と言われそうですが、最も焚き火に近い感じがするので好きなのですー。そして、10個500円くらいで購入できるので、ハンドメイドに最適!
このLEDろうそくは 本物のろうそくのティーキャンドルと同じサイズなので、ティーキャンドル用のキャンドルホルダーにそのまま使えます♪
ところで、こどもたちに必ず伝えたいと思っているのは、こちら。光の進み方は直進・屈折・反射だということ。これは、中学生で習うそうですが、日常に光があるのだから、この言葉は覚えていてほしいです。こどもたちは記憶力があるので、3回唱えると覚えてくれます!
光はまっすぐ進むのが大好き。その中でもLEDは特にまっすぐが大好き。だから、別の進み方、屈折や反射を利用して、横にも光を広げてあげよう!という具合に理屈を説明して応用を伝えます。
レジ袋やペットボトルでランタンができますと結論だけ教えてしまって、仕組みを説明しないというのでは、応用できない人を生み出すばかり。なぜレジ袋でできるかというと、半透明のものだと、直進が妨げられて反射するので、横方向にも広がるからですよね♪
だから、やり方や「正解」を人に教えてもらう人じゃなく、学校で習う 光の進み方を理解して、応用できる人になろうよってこどもたちには伝えるようにしています。
さらに、家にある、本当にこどもたちにとって身近なものでいろいろ実験して親子で仕組みを考えてみてほしいと思っています。
身近なもの=レジ袋とか、なんだか捨ててもいいもの系なのは、みんなが学校に持ってくれるものという前提があるのでしょうかね?
たとえば、左下。これは、半透明の小物入れ。無印良品などの収納ケースには半透明のものが多いです。だから実は収納ケースに入れちゃえばこんな素敵なランタンに♪
手前の真ん中写真は、LEDライト後部にアルミホイルを置いたもの。アルミホイルはよく反射しますよね!
で、反射するといえば、これも。おうちにあったりしませんか?磁石つきスパイスケース。これ、いまだにプリントや紙の世界が続く、こどもたちの園や学校プリントを冷蔵庫に貼っておくのに大活躍なものなのですが、これにろうそく型LEDライトがすっぽり入ります。すっぽりといっても上はちょっと当たるのですが、ろうそくの火の部分は、まがるプラスチックで割れないので、ちょっと無理しても大丈夫なのです!
また、こちらは何かわかりますか?答えは、ガラス製のレモン絞りです。カットガラスで光が屈折したり反射したりしますよね。もちろん普通のカットガラスなどでもできます♪レモン絞りにLEDがぴったり入ります。あればやってみてほしいです。
イベントに使ったものは、200名以上参加される大きな会場でもあったので、市販の不透明なカップを準備しました。1個10円くらいから購入できます。
それに透かしがあるようなシールを貼ると、光の直進が妨げられるので、光が広がってみえます。
ちなみに透明カップも重ねると不透明になっていくので、光が広がるのでやってみてね。こんなのも面白いです。
左はお寿司作りの「すまき」で巻いて立たせたもの、右は、金属製の味噌漉しですが、金属製の水切りボールなどでも綺麗にできます♪
その他、トランスパレントと言われる透明折り紙で巻いてもきれいです。
という具合に、「身近なもの」=レジ袋とか、レジ袋のランタン作りしかできないなんて残念すぎます。これは光のどんな仕組みで広がっているのだろう?と家族であれこれ考えて試してみたり、職場でちまっとシールを貼って、語り合いながらランタン作りを楽しんでほしいなと思っています。
そして、身近にある何からでも、自分で考えて屈折、反射を利用してランタンをつくりだせるそんな人が増えると嬉しいです♪
(了)