人によって見え方が違う??(アプリ「色のシュミレータ」であんどうりす撮影)

先日、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)で防災の講演をしました。みなさんはカラーユニバーサルデザインってご存知ですか?

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 リーフレットより引用


実は防災上、とても重要な概念なのですが、まだまだ普及していないかもと思う概念でもあります。カラーユニバーサルデザインというのは、CUDOのHPから引用させていただくと、こういうことです。

人間の生まれつきの色の感じ方(色覚)は、大きく5つの型(タイプ)に分けることができそれぞれの色覚型には色の感じ方に異なる特徴があります。また色覚は病気や老いによって変わることもあります。

こうした人間の色覚の多様性に配慮し、より多くの人に利用しやすい配色を行った製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方を「カラーユニバーサルデザイン(略称CUD)」と呼びます。

■NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構ホームページ
http://www2.cudo.jp/wp/?page_id=74  より引用

CUDOの分類によると、人の見え方は

(カラーユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)

大きく5つの型に分かれるとのこと。どのように見え方が異なるかというと、

アプリ「色のシュミレータ」であんどうりす撮影

同じ画像でも、型によって見え方が違うのがわかりますね。

従来、一般的な95%の色覚の方が「色覚正常」と呼ばれ、それ以外の方は「色盲・色覚異常・色覚障害」と呼ばれることが多かったそうです。多数派が正常で、それ以外の方は異常というなんて、学術用語でもあるそうですが、やな感じですねー。

CUDOでは色弱者という呼称を使っているそうなのですが、実態をお聞きしたら、「弱」でいいの?と思ってしまいました。例えば、95%を占める多数派のC型の人は、緑の葉の中に紛れた赤い実をすぐ見分けられます。

でも、緑色の中の緑色は、実は、C型以外の人の方が見分けられるのです。

緑の中の緑がかえってよく識別できる場合も。アプリ「色のシュミレータ」であんどうりす撮影

狩猟から農耕への移行がきっかけ?

狩猟から農耕への移行にあたり、赤い実を見分けられる方が多数派になっていったのかもしれませんが、草陰にひそむ外敵を見分ける事ができる少数派の人がいたから人類は生き延びたのかもしれません。

また、ホワイトアウトした吹雪や濃霧の中、C型の人はいろいろなものが見えにくくなります。しかし、少数派の人は見えるのだそうです。生物のサバイバルの手段は、多様性なので、少数派の人が現在も存在するのは、今後の災害に備えた遺伝子サイドの防災なのかもしれません。

だから、多数派と違う色が見える人がいるという事は、私の中では「色弱」というより、色について特別な「フォースの力」(引用「Star Wars」)を持っている人たちという印象になっています♪日本では男性の場合は、20人に1人、女性で500人に1人、このフォースの力を使える方がいるそうです♪

さて、そんな見え方の異なる人たちがいるという状況をしっかり意識すると、特に防災の現場では、困ったことが起きているという事も想像に難くないと思います。

赤で強調したつもりが、かえって目立たなくなっている事もあるのです。

強調したつもりがかえって見えにくくなっている例 (カラーユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)

でも、ちょっと工夫するだけでもっと多くの人が見えやすくなるのです。

(カラーユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)

赤色を橙色に変えて、ピクトグラムや立入禁止に白色のフチをいれるだけ!これだけで、誰にでも見えやすい色になるのです。このちょっとの工夫があるかないかというだけで、こんなに違うのですね!

他の例も見てみましょう。

(カラーユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)


色に名前を書くというのも対策のひとつなのですね!

(カラーユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)

色の部分に路線番号を書くとわかりやすいというのもなるほどです。色がたくさんありすぎて、かえってごちゃついてる路線図もありますから、番号があると多くの人にとっても使いやすくなりますね!

防災現場で改善されている例もぞくぞく登場!


次に、実際の防災現場で改善された例をご紹介します。

まずは気象庁のサイト、誰にとっても見えやすい色になっている事をご存知でしょうか?CUD認証済みの配色で高解像度降水ナウキャストやアメダスは配信されています。

写真を拡大 使用する基本配色をCUD認証で設計したことにより見えやすいものに(資料提供:NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO))

見えやすい色と配色にするということは大切なのですね!みなさんのHPやアプリ、防災情報は大丈夫でしょうか?

(ユニバーサルデザインガイドブック(発行:CUDO)より引用)

 

 リスク対策.comのサイトは、白と緑、緑に白ぬき配色がメインテーマの色ですので、大丈夫な配色でほっとしました〜!

詳しくは、カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットで実際の色を確かめてくださいね!こちらには見えやすいグラフの作り方も解説されているので、企業の方も必見です♪レーザーポインターも見えにくかったりするんですよ!

■カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構
http://www2.cudo.jp/wp/wp-content/uploads/2016/10/CUD_Colorset_Guidebook.pdf

見えやすいグラフや統計資料の作り方も書かれています!(「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット」より引用)

次の改善例は、RCソリューションの「ゆれくるコール」。

資料提供 RCソリューション株式会社


こちらは再現ドラマとか作りたいレベルの神対応で、熊本地震直後、話題になっていたのです!なので、ちょっとドラマ風で解説したいと思います。

(資料提供:RCソリューション株式会社)


 ●2017年4月14日(木)21時26分 熊本地震発生!
直後から、ゆれくるコールに多数問い合わせが来る。

●15日(金)「震度マップのアイコンの色が判別しにくい」の声が。
代表取締役の栗山章氏が即刻、別件でやりとりしていたカラーユニバーサルデザイン機構に連絡。

●16日(土)1時25分 熊本地震本震発生!

●16日(土)、17日(日)、会社は休業日だが栗山氏が各方面と連絡をとりカラーユニバーサルデザインに対応した震災マップアイコンを手配

●18日(月)アプリ更新の緊急会議。色の対応とその他の要望に対応した変更を決定

●18日(月)〜20日(水)出向していた社員も会社に戻り、総力をあげて開発とプレスリリース対応

● 21日(木)Android版、22日(金)iOS版リリース

● 27日(水)プレスリリース

と、ニーズに応えて、短期間での緊急アップデートされました♪現在も、ゆれくるコールは設定で気象庁画面にすると、見えやすい画面に変更できるようになっています。これは、見えやすさとともに、今までの画面に親しんでいるという方にも配慮して選択制にしたそうです。

選択制のほうが、より技術的に難しいのですが、なぜスピード感をもって実施できたのかというと、「何よりもいち早く困っている利用者様のもとに届けたいという想いが皆を突き動かし」、「やるしかない感があった」と、開発された社員の方のお話です♪素敵ですね♪

「ゆれくるコール」は設定画面で気象庁に設定すると見えやすい色になる
「ゆれくるコール」左が気象庁画面、右がオリジナル画面


アプリが、見え方の異なる人にはどう見えるのかを瞬速で表示!

他にも共同通信配信の記事はカラーユニバーサルデザインのガイドラインがあり、鳴門市をはじめとする各地の自治体のハザードマップなどCUDを反映させる自治体も増えています。

(資料提供:NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO))
(資料提供:NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO))

最後に、このアプリは私も入れていますが、防災関係の方の端末には入れておいてほしいと願っています!注意喚起情報やトイレ情報を書いたけど、多くの人に見えるかな?と思ったら、スマホでかざすだけ。アプリが、見え方の異なる人にはどう見えるのかを瞬速で表示してくれます。私も、パワポ資料をこれでチェックしたりしています。

こちらがアプリ「色のシミュレータ」のスクリーンショット。

アプリ

■iphone
https://itunes.apple.com/jp/app/色のシミュレータ/id389310222?mt=8

■Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=asada0.android.cvsimulator&hl=ja

避難所のトイレの区別がわかりにくい表示だと、混乱が起きますからね!

避難所のトイレの表示も伝わらない場合も。アプリやガイドラインでチェックを!(引用:ユニバーサルデザインガイドブック(発行 CUDO))


ということで、だれにでも見えやすい色を使って防災情報を発信していきたいですね。自分の少しの配慮が見え方の異なる人を助け、そうすると、その人たちが、特別な力でみなさんを助けてくれるかもしれません。だから、今週の締めの言葉はこれでしょう♪

「May the Force be with you!」

(了)