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危機管理の神髄
餓鬼(hungry ghosts)
どの災害も異常であり、それぞれ特徴的であるが、これらは最悪のものである。その名が示すとおり、大量死亡事故は人間の死のサージ(大波)である。犠牲者と家族、共同体・市・国にとってどれもが大災害である。
2020/03/06
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気象予報の観点から見た防災のポイント
不意に襲った大雪―3月の気象災害―
1998年3月1日(日)の朝、東京は突然の大雪に見舞われた。と言っても、都心の降雪量は5センチメートルに過ぎないのだが、事前に予測されなかったこともあって、交通は大混乱に陥った。この降雪は予測の難しいものであった。早春の日曜日の朝に起こったこの事例を振り返り、雪に弱い東京の降雪予想について考察してみる。
2020/03/02
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危機管理の神髄
現地化する
法律をつくるのは議会であり、その法律の支配権を実行するための規則をつくるのは行政機関である。規則は規則を制定した行政機関によって実施されるのであり、規則を起草した機関のみが実施することができる。グラウンド・ゼロの場合には、作業者の安全にかかわる責任を有するのはOSHAとニューヨーク州労働局である。ニューヨーク州労働局は消防士や警官など公共セクターの作業者のための、OSHAはその他全ての者のための規則をつくった。
2020/02/21
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危機管理の神髄
レッドゾーン(危険地帯)へ
翌日、環境技師たちと大気抽出検査装置を積んだ保健局のキャラバンはロウワーマンハッタンのがらんとした通りを南下した。 私には聞きたいことがあった。ニューヨーク市学校建設当局で環境問題を担当している昔馴染みのアレックス・ランパートに電話をした。ランパートは膨大な大気サンプルの資源を自由に使える立場にあった。ワールドトレードセンターの現場で大気の検査をするので助けてほしいと言ったら「よし行こう、何をしようか?」との返事であった。
2020/02/07
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気象予報の観点から見た防災のポイント
「春一番」は災害の匂い―2月の気象災害―
キャンディーズの曲がヒットした翌々年の1978年2月28日、「春一番」の吹く東京で、荒川に架かる橋梁を走行中の10両編成の電車の後部3両が強風のため脱線、うち2両が横転して23人が負傷する事故が起きた。地下鉄東西線列車横転事故である。本稿では、こうした「春一番」の危険な側面に焦点を当てる。
2020/02/03
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企業文化を生かしたBCPのあり方を模索
27万人の従業員を抱える巨大企業パナソニック。同社で2011年よりBCPの実務を担っている青江多恵子氏は、2019年8月にBCM(事業継続管理)教育の専門組織であるDRIジャパンの研修を受講し、国際的なBCM担当者としての資格を取得した。青江氏に受講の背景や目的を聞いた。
2020/02/01
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危機管理の神髄
翌朝
攻撃の翌朝早く、私はニューヨーク市保健局の環境衛生担当の副局長として、避難区域—いわゆる”レッドゾーン“—の6街区北にある東20丁目の警察アカデミーの2階図書館に設営された緊急事態オペレーションセンターの担当であった。保健局の同僚の何人かは夜間にダウンタウンへ移動し、まだ現場にいた。彼らからの報告によって保健局は大きな現場で消火や瓦礫の掘り返しに従事しているファーストレスポンダーの人たちがさらされているハザードに焦点を当てることになった。
2020/01/24
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私たちは災害を予測すらできていない
風水害は、地震災害と違って事前に何が起こるかが把握でき、災害発生までに事前準備ができるリードタイムがあると考えられてきた。しかし、昨年、日本を襲った台風15号や19号は、予測を超えた大きな被害を各地にもたらした。これからの防災をどう見直せばいいのか。関西大学社会安全学部・社会安全研究センター長で人と防災未来センター長の河田惠昭氏に聞いた。
2020/01/19
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災害時に困るトイレの話
第5回 災害時、携帯トイレは役立つのか?
大きな災害が起きると、水洗トイレの多くは使用できなくなります。それは地震でも水害でも一緒。今回お伝えしたいことの結論を先にいうと「トイレの初動対応として、携帯トイレは役立つ」ということです。なぜ今回このことを書きたいと思ったのかというと、先日ある地域でトイレの備えについて講演をした際、その場にいた方から「実は私、東日本大震災のとき、宮城県にいまして、携帯トイレがものすごく役に立ったのですよ」と教えていただいたからです。
2020/01/17
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危機管理の神髄
現地化する 悪いことはグレートマシーンにつながれていないときに起きる
1970年の夏は誰が思い起こしても最も暑い夏であった。海岸から離れた丘陵地帯や山岳部では、来る日も来る日も華氏100度になった。カリフォルニアは干ばつで有名であるが、その年は夏が深まっても雨が降らなかった。6月以降、一滴の雨も。
2020/01/10
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気象予報の観点から見た防災のポイント
低気圧の猛威―1月の気象災害―
1970年1月30日から2月1日にかけて日本列島を襲った温帯低気圧は、「昭和45年1月低気圧」と命名されている。気象庁は顕著な災害をもたらした自然現象に固有の名称を与えているが、それらの多くは豪雨や台風、地震・火山現象である。「昭和45年1月低気圧」は、温帯低気圧に対して命名された唯一の事例なのである(2020年1月1日現在)。それからちょうど50年を経た今、この事例を振り返り、冬の温帯低気圧に関する防災上の留意点を再確認してみたい。
2020/01/06
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危機管理の神髄
沿岸ストーム対策計画
9.11の直後の数年間、OEMはテロリズムを重視していた。しかし、2005年8月29日の月曜日早朝、ハリケーン・カトリーナがミシシッピ州とルイジアナ州の州境に上陸する頃までには、われわれの関心の対象は変わってしまった。
2019/12/27
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ビル経営にBC(事業継続)の視点を落とし込む
東急グループでは、事業継続(BC: Business Continuity)への取り組みを強化している。不動産業界全体のBCP策定が伸び悩む中、東急ファシリティサービスでは危機管理担当者だけでなく、経営幹部・全幹部社員・管理職社員がBCM(事業継続管理)教育の専門組織であるDRIジャパンの研修を受講し、日々のあらゆる業務の中にBCの概念を定着させている。
2019/12/24
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危機管理の神髄
もう一つのパラレルな宇宙
2003年3月20日、“衝撃と畏怖”爆撃作戦が、米国主導の多国籍軍によるイラク進攻の合図となった。3週間後、21日間の激しい戦闘の末に、米国、英国、オーストラリア、ポーランドから派遣された18万人の部隊がイラク軍を圧倒し、サダム・フセイン政権を倒した。
2019/12/13
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気象予報の観点から見た防災のポイント
融雪はこんなに怖い―12月の気象災害―
土石流が突然襲い、作業員14人の命が奪われた。1996年12月6日午前10時30分ごろ、長野・新潟県境に位置する蒲原沢(がまはらざわ、一級河川姫川の支流、図1)での出来事である。当時、蒲原沢では、前年7月の豪雨による土砂災害の復旧工事が行われていた。その作業現場を土石流が襲ったのである。
2019/12/02
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危機管理の神髄
最初のグレートマシン(2)
全米―そして世界から、一点に収束された関心は災害対応であった。 フランスの新聞ル・モンドは、「今日9月12日は、われわれみんなアメリカ人だ」と伝えた。9/11の衝撃は、ほぼ誰にでもどこにでも影響を与えたと思われ、それは溢れ出る連帯と支援を引き出した。何百人、いや何千人もの人たちが連帯を示し、彼らができるどんな方法でも手助けできるようにとニューヨークに押し掛けてきた。
2019/11/29
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災害時に困るトイレの話
第4回 避難所におけるトイレの備えの実態
これまで書いてきたとおり、水洗トイレは災害に強くないシステムです。地震で給水設備が壊れてしまえば断水し、停電だとしてもポンプが動かなければ給水されません。また、水を確保できたとしても、排水系統に支障があれば流すことはできません。浸水時は、地中の排水管も満水なので、汚水を流すことはできなくなります。つまり、どのような自然災害においても、災害用トイレの備えが必要ということです。これは、家族を守る、従業員を守る、地域住民を守る上で欠かせません。しかし、水や食料に比べて、トイレの備えは圧倒的に不足しています。そこで、今回は、避難所でのトイレの備えの現状について考えてみます。
2019/11/15
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危機管理の神髄
最初のグレートマシン ニューヨーク市がわれわれにやり方を示す
ブルックリン区の東フラットブッシュで生まれて大きくなったルドルフ・ウイリアム・ルイス・ジュリアーニは、民主党候補のデイビッド・ディンキンスを破って、過去30年間で初の共和党員のニューヨーク市長となった。市は当時、犯罪の急増と全国的な不況による失業でよろめいていた。ジュリアーニは、ニューヨーカーに酔っ払いや乞食に支払う「ストリート税」を根絶すると約束した。
2019/11/15
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気象予報の観点から見た防災のポイント
初冬の突風―11月の気象災害―
11月は気象災害が比較的少ない月かもしれない。台風シーズンは過ぎ、冬の大雪や暴風雪にはまだ早い。 しかし、11月に気象災害が起きないわけではない。本稿では、筆者の記憶にある11月の気象災害の中から、2006年11月7日13時23分に北海道佐呂間町で発生した竜巻に伴い9人の命が奪われた事例を振り返ってみる。
2019/11/01
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危機管理の神髄
皆このことをもっと得意にすべきではないか?
「これは警鐘である。連邦緊急事態管理庁だけに依存することはできない。皆が力を合わせて改善するためにはどうすべきであるか、われわれは腰を落ち着けて考えるべきである」 (FEMA長官 ブロック・ロングー2017年9月3日放映「フェイス・ザ・ネーション」より) もちろんそれらはたまたまここで起きたということではない。 それがどこで起きようとも、どんな大災害の後にも、子供や家族を苦しめることになった失敗の責任を関係者の間で押し付けあうという期間がある。
2019/11/01
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本気でBCPに取り組む福祉施設
災害が起こるたびに報じられる福祉施設の被災。多くの要援助者が入所するだけに、災害対応は困難を極める。こうした中、熱海市にある福祉施設では、BCPの取り組みを強化し、災害だけでなく情報セキュリティーなどさまざまなリスクに対応できる組織づくりに取り組んでいる。 今年6月には、理事長の長谷川みほさんが、BCM(事業継続管理)教育の専門組織であるDRIジャパンの研修を受講し、国際的なBCM担当者としての資格を取得した。長谷川さんにDRI研修を取得するに至った経緯とBCMへの取り組みを聞いた。
2019/11/01
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危機管理の神髄
こわれやすい人間関係
25年前の8月の暑い夜、アンドリューが南フロリダに大打撃を与えたとき以降の数十年間に大きな変化があったと主張する人が多い。それゆえオバマ大統領と彼が任命したFEMA長官であるクレイグ・フゲイトとのブロマンスに話を戻そう。フゲイトが言ったように、FEMAは国の緊急事態管理チームではなく、FEMAはチームの一員にすぎないというなら、チームはどのようにしているのだろうか?ニューヨーク・タイムズ流に言うならば“教訓は得られたのだろうか”?我々は過去の災害において世界が目にした欠点を直したのだろうか?
2019/10/18
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危機管理の神髄
ビクトリー・ラップ
超活動的な2017年のハリケーンシーズンの特徴は6つの大型ハリケーンであり、それは破壊的な2005年シーズン以来の最多の数である。記録上最も高くついたハリケーンシーズンであり、損害額は2810憶ドル(約28兆1000億円)であり、ほとんど全てが米本土に上陸した3つの大型ハリケーン―・ハービー、イルマ、マリア―によるものである。
2019/10/04
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危機管理の神髄
米国災害システムの神話
ニューオリンズ市緊急事態準備部副部長のカール・メテイリーは40時間以上寝ていなかった。市の首席行政官のオフィスの9階にある薄暗い緊急事態対策本部(EOC)の混沌の中を歩くとき、自分の将来にうたた寝などというものがあるとはとても思えない。典型的な日には大きな会議室くらいのこのスペースで30名は快適に仕事をすることができたであろう。今は、立ち止まっているグループ、机に座っている人、静かにしている人、そうではない人、会話をしている人、電話をしている人、壁に掛けられた一列のテレビモニターをぼんやり見ている人で、少なくとも100名の人がいる。
2019/09/20
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昆正和のBCP研究室
第13回:災害リスクを選定するための方法
日本国内では地震を想定したBCPを策定するのがスタンダードになっている。これ自体はとくに問題はないのだが、スタンダードだからといって「地震」の2文字を機械的にBCPに当てはめてしまうのは、少し考えものである。
2019/09/12