こんにちは。サニーカミヤです。先日、世田谷区役所で行われたペット関係のイベントで、ペット保険の営業の方とお話した際、東京都世田谷区は、犬、猫、小動物などのほ乳類ペット数が約12万頭以上(犬約4万頭、猫約5万頭、小動物約3万頭)と、日本一ペットの多い区だということを知りました。

また、毎年、5月〜9月になるとペットの熱中症関連の保険申請が増えると仰っていました。

ペットたちは、どのようにして熱中症になるのでしょう?

米国のペットの熱中症予防啓発ポスター

よくあるペットの熱中症事例:

・冷房までいらないと思ってペットを閉め切った室内に留守番させて会社に行ったところ、予想以上に日中の気温が急激に上がり、帰宅したら、数カ所に置いてある飲み水の容器がすべて空になっており、ペットがグッタリしていた。

・カーテンをせず直射日光が室内に入り込む状態で、ケージの中などに入れ、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態で留守番させてしまいペットが熱中症になっていた。

・ペットを車に乗せて買い物に行き、曇っていたので雨が降るかもと思い、窓も開けず、エアコンも付けずに駐車し、ペットを待たせたところ、買い物をしている間に日差しが強くなり、車内の温度が急上昇し、たった15分程度で熱中症のような症状になってしまった。

・スーパーマーケットの駐車場で、日陰だったのでエアコンの代わりに窓を少し開けた状態でペットを留守番させたところ、戻ってきたら直射日光が当たっているうえ、風通しが十分でなかったのと、不慣れな車内での留守番に人が通るたびに犬が興奮したため、体温が急上昇してしまった。

などなど、何も知らずに閉じ込められたペットは可哀想ですよね。。

もちろん、ペットの車内閉じ込め救出事案は、日本ばかりではなく、アメリカでも毎年、かなりの件数が発生しています。


ボストン市消防局のペット救出現場映像


消防士が車のドアを開けるために使っている道具のビデオ

みなさんの消防署では、どのように暑くなった車内からペットを救出しますか?アメリカでは下記のようにペットを救出しています。

車のオーナーが現場にいる場合:

・オーナーが鍵をなくしてしまい、車内のペット救出要請をした場合は、車のドアを開けるための同意書にサインをもらい、上記のビデオにあるようなツールで30秒ほどでドアを開けるか、ツールが無い場合は車の窓を割って救出する。

車のオーナーが現場にいない場合:

・消防士、警察官など2人以上が緊急避難により早急に救出する必要があると認めた場合は、レスキューツールで車の窓ガラスを割って救出する。

なお、救出後は、少しずつ水などを与えて落ち着かせ、リードをつないで、車道に出ないように監視すること。また、警察に車のライセンスプレートから飼い主を探してもらうこと。

ここで状況シミュレーション訓練です。

下記のビデオを参考に車の窓を割って車内のペットを救出する場合に気をつけなければならないことを3つ以上、挙げてください。正解は最後のページにあります。※すぐに解答を見ないように!(笑)

なお、どのような理由でも、動物を長い間、暑い車内に閉じ込めた状態にした場合、日本円にして約12万円〜52万円の罰金、または、6ヶ月から10年の禁固刑に処せられます。

また、場合によっては飼い主は当該動物の所有権を失い、2度と動物を里親施設などから譲り受けできなくなります。

■↓州によって、動物虐待に対する罰金の額や拘留期間が違う。
http://www.straypetadvocacy.org/PDF/AnimalCrueltyLaws.pdf

日本も同じように動物虐待は懲役や罰金に処せられます。

■↓動物愛護管理法
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/aigo.html

熱中症の見分け方:

・よだれを垂らして横たわっている。
・あえぐような呼吸をしている。
・耳を触ると、いつもより熱い。
・声をかけても、横になったままで苦しそう。
・意識がないか、あっても目しか動かさない。

ビデオの解答:車の窓を割って車内のペットを救出する場合に気をつけなければならないこと。

1、窓を割るときにはペットが居るシートではなく、ガラスが飛散しないようにできるだけ遠いガラスを割る。なお、ガラスを割る場合は、スイートスポットと呼ばれるガラスを叩いてみて一番音が高いところで、ピラーに近い下側を割ること。中央部分は一番割れにくい。


ツールを使うと簡単に割れる

2、救出後は、熱くなっているアスファルトにペットを寝かせないこと。真夏日の場合、アスファルトは摂氏60度近くになることがあるため、できれば、毛布やバスケットストレッチャーなどの上に寝かせ、常温の水で濡らしたタオルで気化熱効果を利用し、徐々に体を冷やすこと。氷水は急激に血管を縮め、バランス良く冷やせないため、少し冷たいくらいの水で体全体を徐々に冷やすのが望ましい。

3、もし、ペットの意識がある場合は、真水ではなく、ナトリウムなどのミネラルがバランスよく含まれた人間用の経口補水液などを飲ませるほうがよいそうです。

4、ペットが興奮状態にある場合は、窓ガラスを開けてからすぐに飛び出したり、噛みつかれたりすることもあるため、窓ガラスを割った後は換気だけを行い飼い主を待つ。必要があれば少しずつ水を与える。

今年の夏は、猛暑になりそうです。心肺蘇生法講習などで、熱中症について話す機会がありましたら、ペットの熱中症についても少しだけお話しいただけると幸いです。

次回は、「ペットの観察処置について」です。

ここにご紹介したコンテンツは、私がインストラクターとして所属している2つの団体、アメリカ最大のペット救急法指導団体であるPetTechのThe PetSaver™ Program、そして、消防士のためのペット救急法指導団体、BART(Basic Animal Rescue Training)ら出典しています。
PetTech
http://www.pettech.net/
BART(Basic Animal Rescue Training)
http://basicanimalrescuetraining.org/
BARTのブログで紹介されました。
http://goo.gl/ZoJoX6
ペットセーバー
http://petsaver.jp

(了)