「いざというときに、本当に役立ち、使いやすいシステムを 追求していきたい」と話す、安否確認サービスの開発 責任者である木下 正則さん

さまざまなサービスで主流になってきたクラウド型のシステム。災害時に利用する、安否確認サービスもその内のひとつだ。

従来の安否確認サービスといえば、サービスを提供する事業者が自社でサーバーを構え、災害発生時に人が判断して安否確認メールを送信していた。これに対し、現在はアマゾンウェブサービス(AWS)などのクラウドサーバー上でサービスを構築し、気象庁からデータを受け取ってメールの自動送信を行ったり、アクセスが増大してシステムに負荷がかかった際のサーバー拡張を、自動化しているサービスが増えている。

サイボウズスタートアップスの安否確認サービスも、そういったクラウド型のシステムを最大限活かしており、メール送信やサーバーの拡張を自動化しているだけでなく、他のシステムと連携してユーザー情報のメンテナンスを行う事が可能になっている。

これまでの安否確認サービスでは、入退社や人事異動があるたび、社内の人事システムやグループウェアとは別に、安否確認サービスのユーザー情報をメンテナンスする必要があった。しかし、サイボウズスタートアップスの「安否確認サービス2」では、他のシステムからユーザー情報を受け取り、自動的にデータの同期ができるシステムとなった。

写真を拡大 社内システムからユーザー情報を受け取り、自動的に同期する

これにより、他のシステムでユーザー情報の追加や編集・削除を行うと、安否確認サービスのユーザー情報にも反映される為、入退社時のメンテナンスコストが激減する。

さらに、ユーザー情報だけでなく部署情報を自動的に更新することも可能になっているため、災害時に部署情報に紐付けて自動送信されるように設定されていれば、管理者がユーザー情報や災害時の自動送信設定を更新する手間は、ほぼゼロになると言える。

また、災害時の通知先として、メールアドレス4つ、専用アプリ(iOS/Android)、ツイッターを登録できるのだが、各ユーザーがその内いくつの通知先を登録しているのか、正しいメールアドレスが登録されているかを、定期的に自動で確認する機能も有している。

写真を拡大 登録したメールアドレスが正しいか、定期的に自動確認する

メンテナンスメールの送信周期は【1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月】の中から設定でき、設定した周期が到来すると、ユーザー全員にメールアドレスの確認メールが送られる。

管理者はこの結果を「連絡網」という画面にて一覧で確認することができ、何人のユーザーが間違ったメールアドレスを登録しているのか、何番に登録されているアドレスが間違っているのかが確認でき、間違ったアドレスを登録しているユーザーだけを絞り込んだ後、到達するアドレスに対して即座に修正を促す通知を送る事ができる。

災害時の通知先を1件も登録していないユーザーも瞬時に絞り込めるので、管理者がメールアドレスの登録や変更を促すのも容易となっている。

写真を拡大 連絡網のイメージ。管理者が管理しやすい設計になっている

その上、ユーザー自身が登録したプライベート連絡先は、どのような権限を持っている管理者であっても一切閲覧することができない為、個人のプライバシー情報が守られているのも大きな特徴だ。

災害時に利用する安否確認サービスのメンテナンスは、どうしても日常の業務の中では意識しづらい。

ただ、ひとたび災害が起こった際に「ユーザーの情報が最新でない」「メールアドレスが変わっていて届かない」では、まったく意味を成さなくなってしまう。

現在、各社がさまざまな機能を有した安否確認サービスを提供している。しかし、高機能・多機能だからといって必ずしも災害時に有用とは限らない。

災害時に使える機能にどんなものがあるかという点だけではなく、自動送信が正常に作動する、アクセスが増大しても快適に利用できるという、当たり前の前提条件を選択するのと同じように、原点に立ち戻って災害時に実際に"使える"サービスを選ぶ、という点に目を向けるべきなのかもしれない。

管理者が意識することなく常に情報がメンテナンスされ、災害時には最新でクリーンな状態になっているという点で、サイボウズスタートアップスの安否確認サービスは、導入してから災害が起きるまでの事も考えられた、管理者にとって優しいシステムと言えるのではないだろうか。

■他システムのユーザー情報を活用した「東京ガスエネルギー株式会社」の事例


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(了)