2015年に発刊の東京防災。2017年度には女性視点の新たな防災ガイドを作成予定

東京都は30日、「東京の防災プラン進捗レポート2017」を発表した。2020年度を最終年度とした2014年策定の「東京の防災プラン」で掲げた目標の現時点での進捗を示したもの。都民の食料品や水の備蓄率、公共建築物の耐震化率などで数値の改善が確認できた。

2015年に発行された「東京防災」でうたわれた日常備蓄の開始については、2016年度は前年度比3.7ポイント改善の45.6%が取り組んでいる。自宅で3日間以上の飲料水を備蓄している人の割合は3.6ポイント上昇の44.7%。同じく3日以上の食料品の備蓄については3.2ポイント上昇の62.0%。避難経路や避難場所を行っている人の割合は3.9ポイント上昇の31.3%だった。S級もしくはA級のボランティアコーディネーターは172人増の677人。

木造住宅密集地域の不燃化に関して都では、約6900haを延焼や建物倒壊の可能性が高い地域として指定。そのうち2015年度末時点で建物の撤去や建て替えといった対策を行った割合は約62%。

耐震化については避難先となる公立小中学校で、2016年度は前年度比0.2ポイント改善の99.9%まで達成している。住宅の耐震化率は2014年度が83.8%だが、2020年度に95.0%を目標としている。2018年には築40年以上のマンションが約24万5000戸まで増加。都では老朽化マンションの建て替えのタイミングで、周辺のまちづくりと組み合わせた再開発を支援する「マンション再生まちづくり制度」などの支援を行い、更新を図る。

災害時に物資輸送など使われる特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震率は2016年度は前年度比1.3ポイント改善の82.7%。道路沿いの建築物が倒れると道路をふさぎ、輸送に障害が出る恐れがある。都では29日、有識者を交えた検討委員会を開催。分譲マンションでの建て替えへの合意形成の重要性などについて話し合われた。現状では建て替えると現在と同規模の建物が建てられない場合もあることから、今後、円滑な建て替えのための容積率の上乗せなどについて検討していく。容積率の上乗せがあれば新たな住戸を生み売却することもケースによっては可能で、不動産事業者を始め民間企業が事業化に乗り出すこともある。

■プレスリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/30/16.html

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