小池知事はヘリを降り、代々木公園から都庁に災害対策車で移動した

東京都は防災の日である1日、調布市と合同総合防災訓練を開催した。小池百合子知事が自宅からヘリコプターを利用し都庁に移動した後、災害対策本部会議を実施。被害状況の報告や小池知事と長友貴樹・調布市長とのテレビ会議などが行われた。都知事のヘリによる登庁訓練は2013年度の当時の猪瀬直樹知事が行って以来。

午前7時30分、多摩地域を震源とするマグニチュード(M)7.3、最大震度6強の地震が発生したと想定。通常の道路を使った移動が困難と判断し、小池知事がヘリを使い移動する訓練を行った。自宅から都バス施設に徒歩で向かい、そこからパトカーで近くの都立公園へ。ヘリに乗り込み都立代々木公園にある陸上競技場の織田フィールドに移動。同8時13分に降り立った後は災害対策車で都庁に向かった。

小池知事(中央奥)は災対本部長として指示を行うなどの訓練も行った

午前9時からは都庁で小池知事も本部長として出席し災害対策本部会議を開催。スカイタワー西東京(田無タワー)からの高所カメラや荒川沿いの木造住宅密集地域を飛ぶヘリからの映像が大型カメラに映し出されたほか、都職員の参集状況や警視庁、東京消防庁や都庁各局からの報告が行われた。さらに調布市の長友市長とテレビ会議を実施。長友市長は火災や道路の閉塞が起こっていることを報告した。

小池知事は救助しないと生存率が下がる72時間の壁を意識し、人命救助最優先を指示。特に多摩地域と木密地域の多い23区東部での対処に注力し、木密地域の延焼阻止を呼びかけた。また、職員の安全を確保し、家族の安否の確認を行い、職員が安心して働けるようにすること、あらゆる手段で都民に情報を発信すること、天気への注意を訴えた。

訓練後の記者会見で小池知事は「自然災害であれ人災であれ混乱は起こる。いろいろな場合を想定し、だれが何をするのか確認しておくのは重要。災対本部長である私は、都民の生命と財産を守ることが第一の役目であることを自覚した」と述べた。また「北朝鮮問題が読めない状況であるし、地震も同様だ。私は『備えを常に』をモットーにしているが、都民の協力を得て『備えている東京』を目指したい」と呼びかけた。訓練は3日も行われる。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介