2018/02/14
防災・危機管理ニュース
気象庁は13日、「緊急地震速報・改善検討会」の技術部会第8回会合を開催。3月から新たに導入するPLUM法に関する説明や議論が行われた。1月5日の誤報の原因になった複数地点で小規模地震が起こった場合の精度向上についても改善される旨が報告された。
PLUM法とは予測地点から一定の範囲内の観測点で、最も高く出た震度を予測値とするもの。距離を予測地点から半径30km以内とし、従来法と比較して大きい方の予測震度を発表する。
1月5日の緊急地震速報では富山県を震源とする最大震度3の地震が発生。その3秒後に茨城県で同じく最大震度3の地震が発生した。当初は富山県の地震の震源を基に予測を行ったが、茨城県の地震が起こり2つの地震を同一地震と判断。茨城県の地震に震源を切り替える際に富山の地震の振幅を用い、マグニチュード(以下M)を過大評価した。このため通常は最大震度5弱以上の地震が発生し、4以上が予測されるエリアで流れる緊急地震速報の警報が、最大震度3の地震でも流されることとなった。
気象庁ではPLUM法の導入と同じタイミングで、推定されたMと震源に近いエリアで観測した振幅値を比較し、かけ離れている場合はその震源情報を採用しない。1月5日の地震でPLUM法を用いて処理した場合、茨城県沖で地震が起こった後は推定M5.8~5.9となるが、震源から近い観測点での振幅はM3.6のため、M2.2~2.3も離れることから茨城県沖地震を採用しないことで緊急地震速報に反映しないという。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方