2019/08/23
葛西優香の23区防災ぶらり散歩
マニュアルを1冊作って、満足…しなかった?!
高層住宅にお住まいの方々が、大地震発生に備えた活動計画や組織づくりなどを進める際に、参考にしてもらう「震災時活動マニュアル策定の手引き」を中央区防災課普及係が作成されました。
その手引を活用しながら、「マニュアル作成を一緒にしませんか」と区からお声がかかった時とマンション内の防災委員会の立ち上げのタイミングがちょうど重なったこともあり、コンサルティングの方を含めて地震の際のマニュアル作成を実施されました。
しかし…完成すると「火事」の際の避難情報などがまとめられていないということに気づき、「火災時用マニュアルを作成しよう!」と今度は支援なしで、防災委員会メンバーの考えのみで作成に臨みました。
「煙感知器が作動して、その感知器がどのような音をまず出すのか、次に非常放送はどのような内容が流れるのか。放送内容によって逃げないといけないのか、大丈夫なのか…という判断ができないといけないのです。そのためにマニュアルにまとめました」と筒井さん。「数ページに渡る詳細版に加え、冷蔵庫に貼っておけるようにあまり枚数も多くない簡易版も作成しました」と生活になじむように作り込まれたマニュアルが完成しました。
「中央区の優良マンション(※)として既に認定されていますが、認定され続けるためにも地震防災マニュアルに加え火災マニュアルも作成したという経緯もあります。目標があると、活動をする上でやる気を保つことができます」と笑いながら話す蓮見さん。
(※次回詳しく、中央区の制度についてはお伝えしますが、ある一定の条件を保つと、中央区では「優良マンション」として認定されるということです)
災害はいつも起こっているわけではない、起こらない方がいいこと。それに対する対策というのはしても、しても「足りている」という保証はない。見えない、起こるかどうかもわからない事象への備えというのは、継続するモチベーションを保ちにくい。そのような状況下で具体的な「優良マンションと認定され続ける」という目標を目指すことで気持ちの継続もでき、日頃の活動にメリハリがつくようです。
- keyword
- 23区防災ぶらり散歩
- 中央区
- マンション
葛西優香の23区防災ぶらり散歩の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月21日配信アーカイブ】
【5月21日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:日本海溝・千島海溝地震
2024/05/21
-
医療機能の維持を可能にした徹底的なハード対策非常時の代替ライフラインはチェック表で管理
元日の能登半島地震で激震に襲われた恵寿総合病院では、地震後も業務を止めることなく、充実した医療を提供し続けた。10年をかけて整備してきた、徹底的なハードとソフト対策の成果だった。
2024/05/20
-
目まぐるしい状況変化 懸命に向き合った3カ月
市立輪島病院は能登半島地震で被災しながらも、懸命の処置により、運び込まれる負傷者や感染症に苦しむ患者の命をつなぎました。超急性期・急性期を乗り切ると医療需要は急減し、代わって介護機能の維持が深刻な課題に浮上。発災から介護医療院開設までの約4カ月、病院で何が起きたのかを同院事務部長の河﨑国幸氏に聞きました。
2024/05/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月14日配信アーカイブ】
【5月14日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:行動指針の意義
2024/05/14
-
-
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
-
-
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方