2020/06/11
パンデミックと心のレジリエンス
■相手への感情をひとまず保留する
もう一つのよくあるケース。職場では、上司から失敗を厳しく責められたり、意見の食い違いなどからお互いに批判し合うことがあります。明らかに自分に非があるならすぐに認めて謝ればよいだけですが、どうしても相手の言っていることが受け入れられない。
このような場合、ともすれば相手に対してストレートに反感を抱いてしまいがちです。叱責や非難をした相手に対して、必要以上に意識してしまうことは、レジリエンスにとってはマイナスです。
こうした場合、「相手への感情をひとまず保留する」という姿勢を持つことも大切です。「人それぞれ顔立ちが違うように、いろいろな意見や考え方の人がいる。相手もまた、そうした異なる意見を持つ人間の一人に過ぎないのだ」と考えるわけです。
この世の中、もしあなたと同じ考え方の持ち主ばかりだったら、どうなるでしょうか。誰が考えて行動しても同じ結果が出るため、あなた自身いてもいなくてもいいような埋没感や疎外感を味わうでしょう。考え方や行動の仕方を一つ間違えると全員一緒に破滅しかねません。
お互いに批判し合って間違いを正す、ブレーキをかける、けん制する。自分では思いもよらないことを相手が思いつき、解決し、創造する。これによって世の中のバランスが保たれ、相乗効果が働いてうまくいく。いろいろな人がいることで自分が生き、生かされている。感情を静めてレジリエンスの次のステップにつなげる一つのコツです。
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