2020/07/17
危機管理の神髄
欠かせない緊急事態マネジャー
どの共同体にも災害準備を築き上げるために24時間稼働する正規の緊急事態管理のチームが必要である。
自己満足を克服するのは日々、場所を選ばず実行される継続的な努力のみである。真のレジリエンスを生みだす推進力となるのは、災害専門家たちが集中させるエネルギーのみである。そのエネルギーが時間に間に合わなかったり、中断されたりすれば、勢いは失われて、レジリエンスは消えてなくなる。
9.11後のニューヨーク市では、OEMはレジリエンスへの道を切り開いた。それはミッションを持ち、実行に必要な人材・資金・時間という資源があったからである。最も重要な資源、それも特別に重要なのは、緊急事態管理のチームである。地方自治体の緊急事態管理部局の責務を遂行できるのは献身的な正規スタッフのみである。それらは訓練・演習・共同体と民間団体へのアウトリーチ(サービス・援助を通常の範囲を超えてさし伸ばすこと)・現場対応・監視隊・行政サービスの継続・輸送とインフラの計画・ハザードの軽減(健康・医療・人的サービス)・災害地図作成・情報技術・ロジスティクス、そして都市探索救助などの戦術チームである。
モデルとしてのOEM
世界の交差点にあって、ニューヨーク市OEMは全国からまた世界中から緊急事態マネジャーの関心を絶え間なく引き付けている。
ほとんどの人はヘンリー・ジャクソンの最高技術水準の監視隊とOEMに強い印象を持つ。しかし彼らにとってさらに印象的なのは、OEMのスタッフが160名の正規雇用の専門家によって構成されていることだ。160名というのはずいぶん大勢のように思えるが、それらの専門家の一人一人がレジリエンス・ミッションの重要な役割を担っている。われわれが過去20年間の災害対応から何か学んだことがあるとすれば、160名に満たない専門家ではニューヨーク市には十分ではないということだ。
それら全ての全国そして世界中からの緊急事態マネジャーはOEMチームの規模のことをうらやましく思う。ほとんどの人は必要とする資源を持たない。大方の人はその状況を嘆き、ニューヨーク市のOEMがやっているのと同じことができるくらいの大きさのチームを持ちたいものだと願っている。
おすすめ記事
-
-
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
-
-
-
家庭の防災は企業BCPとつながっている
昨今は社員の自主防災力向上に努めている企業も多いでしょう。この時期は災害時のルール周知に余念がないと思いますが、ポイントとして提案したいのが、家庭の防災と企業BCP のつながりをしっかり伝えること。「家庭と会社は別」と考えがちですが、家庭の防災力を上げないと企業の事業継続力も上がりません。メッセージを出すよいタイミングです。
2024/05/02
-
-
企業不正の実態と不正防止対策
本勉強会では、企業不正の実態と不正防止対策について解説していただきました。2024年4月23日開催。
2024/05/01
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方