2020/08/06
昆正和の気候クライシスとBCP
■地球温暖化と気候変動
ここで気候問題に関する基本的な用語の意味を述べておきましょう。化石燃料を燃やすと二酸化炭素(CO2)が排出されます。二酸化炭素やメタン、フロンなどは熱を保持する性質があることから温室効果ガスと呼ばれています。
経済活動が活発になればそれだけ排出される温室効果ガスも増え、本来は宇宙に逃げてしまうはずの熱を捕捉し続けるようになります。この結果、大気中に過剰に熱が蓄えられ、地球全体の気温が上昇する。これが「地球温暖化」です。
私たちが日々摂取する食料や水は、安定かつ周期的な季節のパターンに依存しています。春には春の、夏には夏の作物を収穫し、梅雨の季節や冬の降雪は山や田畑に十分な水を蓄えさせます。
しかし産業革命の頃から、前述のように人間の活発な生産や消費の活動によって温室効果ガスが大気中にたまり続け、地球の平均気温がかつてないほど早いスピードで上昇し続けた結果、自然な大気循環のサイクルが乱れ始めているのです。
「気候変動」は、温暖化によって地球全体の気候が大きく変わる、分かりやすく言えば気候が不安定となって異常気象が起こりやすくなっている状態と考えればよいでしょう。気候が変われば地球の自然環境や生態系にも広く影響が及ぶことは言うまでもありません。
すでに世界各地では猛烈な台風や豪雨による大洪水、熱波、干ばつ、大規模な山林火災が頻発していますし、北極や南極、グリーランドの氷や万年雪が溶けて海面上昇が起こり、住民が他国へ移住を余儀なくされている国々もあります。
気候変動による海水温の上昇と酸性化はサンゴを死滅させ、海の食物連鎖にも影響が出始めています。近年は気候変動の代わりに「気候危機」や「気候非常事態」という言葉が使われることも多くなりました。
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