2014/03/25
事例から学ぶ
伊勢湾霞ヶ浦に突き出る人工島の南側、約253haを占めるのが霞コンビナートだ。三重県四日市市内に3つある石油化学コンビナートで最も北に位置している。1971年に操業を開始した東ソーのエチレンプラントを中心に13社の企業がBCP連携に取り組み始めた。
きっかけは3年前に四日市市が設置した四日市市臨海部工業地帯競争力検討会。コンビナート立地企業と行政が一体となり企業間連携事業等について協議を進め、付加価値の高い製品への転換や研究開発機能の強化、従業員の教育などを行い、地域を活性化し競争力を高めようというもの。ちょうど、昨年6月からは経産省の「事業継続等新たなマネジメントシステムを活用したグループ単位による事業競争力強化モデル事業」が開始されたことから、同事業に参加し、大規模災害に備え13社が共同でBCP連携に取り組むことにした。
想定した大規模災害は南海トラフ地震だ。想定震度は6強。埋め立て地では避けて通れない液状化が発生し、泥が地面から噴出する。地震から90分後には約5m、埋立地の地面から1〜2mの高さの津波が霞コンビナートを襲う。昭和40年代に造成され老朽化した出島の南側護岸は破損され、北部にある巨大コンテナターミナルからはコンテナ貨物荷物や車が大量に流れてくる。そのため、建物や設備だけでなく、唯一の経路である霞大橋がダメージを受け、交通は著しく制限される。各プラントは安全停止しても、桟橋や配管の破損、建物の倒壊などの被害が予想される。
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