2021/05/09
【オピニオン】コロナ火に気を付けろ
昨年から半導体工場の火災が相次ぎ発生、サプライチェーンの混乱によって電子機器を使った製品の生産が大きな打撃を受けている。一般住宅でも「ステイホーム」の影響からか、コンロ火災や電気火災の多発が問題化。ここへきては、栃木県足利市に続いて群馬県みどり市の森林火災が全国ニュースで報じられた。
コロナ禍のなかで火災が増えているのではないか――そう感じている人も多いかもしれない。
現在発表されている総務省消防庁の火災統計は2020 年9 月までだが、1月~9月の火災発生件数はむしろ前年同期より減少している。コロナ禍による生活環境、就労環境の変化が必ずしも火災に結び付いているとはいえない。だが、AIリアルタイム危機管理情報ソリューションを提供するSpectee(スペクティ)が覚知した火事・報知器作動・消防出動・大規模火災の月次件数をみると、昨年11 月以降、飛躍的に増加しているのがわかる【上のグラフ参照】。
同社の覚知件数はあくまでSNS の情報をもとに算出したものなので、統計上の火災件数とは異なっている。しかし、いわゆる「ヒヤリハット」も含め、火災の潜在リスクが高まっている可能性は否定できない。
3度目の緊急事態宣言が発出され、テレワークや在宅勤務、施設・店舗の時短営業や休業、防火・防災訓練や各種イベントの中止などによる経済社会への影響はさらに長期化、一部は常態化するとみられる。人の流れや動きが変わりリスクの条件が変化している、あるいは従来からの変化が加速しているのは確かだ。
「火災」を切り口に、あらためてリスクマネジメントの課題を考えてみたい。
https://www.risktaisaku.com/feature/bcp-lreaders
【オピニオン】コロナ火に気を付けろの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月14日配信アーカイブ】
【5月14日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:行動指針の意義
2024/05/14
-
-
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
-
-
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
-
-
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方