NCT CBRNE ASIA PACIFICホームページから

これまで、欧州や米国、シンガポールなどで開催されていたNCT(Non-conventional Threat/テロ等非通常型脅威対応)が、今年は東京にやってくることになった。これは世界でも有数の本格的CBRNE国際シンポジウムである。アジアではこれまで、ソウルやシンガポール等での開催はあったものの、日本では初めてとなる。従って、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を視野に、世界からCBRNE専門家や関連企業などが集結する。

本イベントは、5月28日から30日までの3日間、品川の東京マリオットホテルにて開催予定。初日である28日のメインは陸上自衛隊化学学校(大宮駐屯地)における衛生科部隊との協同による訓練展示の予定である。これは、医療関係者にとっても魅力的な機会かも知れない。その後、29日~30日の2日間にわたり、世界各国からの専門家よる講演会とワークショップが同時進行で実施される。国内でこのような知見に触れるチャンスは滅多にないであろう。

講演については、29日の午前中に量子科学技術研究開発機構の明石真言先生による開催宣言に引き続き、世界医師会横倉義武会長、陸上自衛隊化学学校長吉野俊二陸将補、韓国軍CBRNコマンド司令官Yoo Bong Heo准将、さらに、米国防省DTRA(Defense Threat Reduction Agency、脅威削減庁)のDr. Ronald Hann, 化学・生物部長の講演が予定されている。北朝鮮の脅威や中国の動向を考える時、アジア・太平洋地区におけるCBRNE事態に対処する我が国の関係者にとって大いに参考になる。

今回のNCT Asia Pacific では、さらにバイオ関連の専門家で我が国の生物兵器対処をリードする国立保健医療科学院健康危機管理部長の金谷泰宏博士によるCBRNEへの医療関係の対処に関する研究成果発表とワークショップも予定されている。

残念なことは、オリンピック組織委員会の警備局長今井勝典氏の突然のご逝去である。ここまで、オリンピックのセキュリティを組み立て、準備にあたって来られた同氏によるご講演が聞けないことは、痛恨の極みである。心からご冥福をお祈りするとともに、これまでのご努力に感謝申し上げたい。

今回の東京におけるこのような会合はアジア・太平洋地区におけるCBRNE関係者にとっては大変関心のあるところである。シンガポール、韓国、フィリピンや米国などにとって大変意義あることであり、これらの国々からも多くの専門家、関係者等が来日すると見られる。彼らごとの交流も楽しみであろう。

なお、先に述べた陸自化学学校での訓練展示の見学は参加人数に制限がある。入場は申し込み順となる見込みなのでご注意願いたい。

参加費用は、官公庁関係者(政府機関、消防、警察、自衛隊、地方自治体等からの参加者)が2万円。企業及び一般参加者は5万円。これには、訓練展示(人数制限あり)、企業展示(器材、装備)、全ての講演、ワークショップへの参加費が含まれるとともに、レセプション、ランチ、休憩の際のコーヒー等の費用も全て含まれている。さらに専用バッグと、発表者の資料をダウンロードするアプリが提供される。

現在、予定されているプログラムは以下の通り。

5月28日(月)
13時~(予定)…CBRNE訓練展示 化学科部隊・衛生科部隊の協同 大宮駐屯地

5月29日(火)
07:30 受付
08:30 開会宣言
08:40~基調講演 世界医師会横倉会長、陸自化学学校吉野学校長、韓国CBRNコマンド司令官Heo准将、米国国防総省DTRA(脅威削減庁)CB技術部Hann部長
10:00 休憩と交流・名刺交換等
10:45 企業展示
12:30 ランチ
13:30 大規模イベントにおけるCBRNE脅威からの防護(座長:明石先生・Beville氏)。千葉県庁滝川副知事、東京都庁防災部菊池統括課長、Heyl社Beville氏、東京消防庁石川義彦氏(パネルディスカッションを含む)
(別会場同時進行13:30 ワークショップ: CBRNEに対する医療対応 杏林大学山口先生)
15:45 午後の休憩、交流・名刺交換
16:15 大規模イベントでのCBRNE事態対応(座長:明石先生)
 警視庁テロ対策パートナーシップ事務局佐藤警部、独ケルヒャー社Hellmuth氏、防衛装備庁先進技術センター武田総括官(パネルディスカッション含む)
(別会場同時進行16:15 ワークショップ:医療面からの準備 国立保健医療科学院金谷先生)
17:45 終了

5月30日(水)
07:30 受付
08:30 CBRNE緊急事態への医療対応(座長:防衛医大清住先生)
防衛医大齊藤教授、佐藤教授、藤田教授、他1名(パネルディスカッション含む)(別会場同時進行 08:30 ワークショップ: CBRNE計画策定、C-IED訓練等George McKerrow氏、MAC 7)
10:15 午前の休憩、交流・名刺交換等
11:00 アジア・太平洋地域におけるIEDの脅威
香港警察EOD部門Chow氏、サーモサイエンティフィック、警視庁専門家、World Customs Organization専門家等 
(別会場同時進行11:00 ワークショップ:放射線テロへの対応、明石先生) 
12:45 ランチ
13:45 放射能テロの脅威(座長:明石先生)
 寺谷俊康氏、Environics専門家、板橋功氏
(別会場同時進行 13:45 ワークショップ: 爆発物テロ対処)
座長:NBCR対策推進機構井上理事長、
パネリスト:中村順先生 総合安全工学研究所事業部長
       中山良男先生 産業技術総合研究所 主幹
       伊藤克己先生 報恩会社長 
15:30 午後の休憩と交流・名刺交換
16:00 結びに替えて: 国際的な教訓を考える(議長:明石先生)
米国国防総省脅威削減庁対WMDリーチバックチーム、オーストラリア警察、シリア反政府勢力政府のカタール大使等を招いて
17:30 会議終了

(すべてのセッションは英語を基本言語とします。プログラムは若干の修正が予想されます)


■NTC Asia Pacific(英語)
www.nctasiapacific.com/
(了)