2023/05/31
防災・危機管理ニュース
【ソウル時事】北朝鮮は31日、「衛星打ち上げ」と称し事実上の長距離弾道ミサイルを北西部の東倉里から発射した。しかし、韓国軍によると、黄海の於青島西方約200キロの海上に落下。北朝鮮の朝鮮中央通信も軍事偵察衛星を打ち上げたが墜落したと伝え、失敗を認めた。早急に次の発射を行うと主張している。
日本政府によると、発射は31日午前6時28分(日本時間同)ごろ。「弾道ミサイルの可能性があるもの」が発射されたと発表し、全国瞬時警報システム(Jアラート)は警戒対象地域を沖縄県と指定した。その後、日本には飛来しないとみられると発表。沖縄県の避難呼び掛けは解除された。
松野博一官房長官は31日午前、首相官邸で記者会見し「弾道ミサイルの可能性があるもの」は発射から7分後に黄海上空で消失したとみられると発表した。宇宙空間に物体は投入されていないと推定しているが、北朝鮮の軍事偵察衛星保有は「平和と安全を脅かす恐れがある」と指摘した。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の国家宇宙開発局が東倉里の「西海衛星発射場」から軍事偵察衛星「万里鏡1号」を載せた新型ロケット「千里馬1型」を打ち上げた。しかし、ロケットの第1段階分離後、第2段階のエンジンに異常が発生、推進力を失い墜落した。新型エンジンと燃料に原因があると考えているという。
韓国軍は、海上に落下した「発射体」の一部と推定されるものを発見した。韓国政府は緊急の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、国連安全保障理事会決議への「重大な違反だ」と発射を批判した。
北朝鮮の核問題を担当する日米韓の高官は電話会談を行い、抑止力強化や国連安保理での対応で連携を確認した。
北朝鮮は、31日午前0時~6月11日午前0時の間に「人工衛星」を打ち上げると日本政府に通告していた。北朝鮮が「衛星打ち上げ成功」を発表していれば、2016年2月の「光明星4号」以来となるはずだった。北朝鮮は昨年末、「軍事偵察衛星1号機」の準備を今年4月までに終えると発表し、金正恩朝鮮労働党総書記は16日、打ち上げに向けた行動計画を承認した。
〔写真説明〕31日、黄海の於青島西方約200キロの海上で発見された、北朝鮮の「発射体」の一部とみられる物体(韓国軍提供・時事)
〔写真説明〕31日、黄海の於青島西方約200キロの海上で発見された、北朝鮮の「発射体」の一部とみられる物体(韓国軍提供・時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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