【ワシントン時事】バイデン米大統領とインドのモディ首相は22日、ホワイトハウスで会談し、防衛・技術協力やサプライチェーン(供給網)の強化に取り組むことを確認した。インド太平洋地域における中国の台頭を念頭に、米印は戦略的パートナーシップの拡大を加速させる。
 モディ氏はバイデン政権の3人目の国賓として招かれた。この日、上下両院合同会議で演説し、ホワイトハウスでの公式夕食会に出席。異例の厚遇の背景には、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の代表格インドを、欧米などの民主主義陣営の側に引き寄せる狙いがある。
 バイデン、モディ両氏は会談後の共同記者会見で、日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の活動を高く評価。モディ氏は「クアッドのパートナーと共に、地域の全ての国との協調を強化する。インド太平洋の平和と安全は、われわれの共通の優先事項だ」と強調した。
 バイデン氏は、米印とイスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)の枠組みにも言及し「食料安全保障やクリーンエネルギーといった課題」で解決に向けて努力していると説明した。
 米印両国は共同声明で、中国を念頭に「力による現状変更を目指すことで地域が不安定化することや、一方的な行動に反対する」とけん制。ロシアによるウクライナ侵攻には「深い憂慮」を表明し、ウクライナへの継続的な人道支援を申し合わせた。 

(ニュース提供元:時事通信社)