【ブリュッセル時事】岸田文雄首相は13日午後(日本時間同日夜)、訪問先のベルギーで欧州連合(EU)のミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長と定期首脳協議を行い、共同声明を発表した。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、安全保障分野の連携を強化。外相級の「日EU戦略対話」を創設することで合意した。
 日EUはこれまで経済面の連携が中心だったが、今回は海洋安保やサイバー攻撃など幅広い安保協力を確認した。
 首相はこの後、EU首脳との共同記者会見で「世界のどこでも力による現状変更は許されないこと、自由で開かれた国際秩序の維持・強化へ緊密に連携していくことを確認できた」と語った。共同声明に関し「地域と国際社会に対する極めて有意義なメッセージになる」と強調した。
 東京電力福島第1原発事故後の日本産食品の輸入規制について、EUは撤廃を表明。双方は、福島第1原発の処理水の海洋放出計画を巡り国際的な安全基準に合致するとした国際原子力機関(IAEA)の包括報告書の発表を「歓迎する」と表明した。首相は「被災地の復興を大きく後押しするもので高く評価する」と述べた。 
〔写真説明〕日EU定期首脳協議に臨む岸田首相(中央)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)