松村祥史防災担当相は4日のインタビューで、政府が来春をめどに見直す南海トラフ地震の対策基本計画を巡り、「災害関連死の状況や少子高齢化など社会情勢の変化も踏まえ、新たな対策についてさらに検討を進めていく」と述べた。災害対応では国民の自助意識向上の必要性も指摘した。主なやりとりは次の通り。
 ―防災における課題は。
 豪雨災害は激甚化、頻発化し、南海トラフ、首都直下地震も切迫している。こうした課題に備えていくことが重要だ。
 ―政府は南海トラフ地震の被害想定や対策基本計画を見直すが、改善すべき点は。
 来春には基本計画策定から10年経過するので、現在中央防災会議のワーキンググループで被害想定の見直しを進めている。熊本地震など過去の地震災害における災害関連死の状況や少子高齢化など最近の社会情勢の変化も踏まえ、講じるべき新たな対策についても、さらに検討を進める。
 ―特に力を入れたいことは。
 災害対応では「自助、共助、公助」の三位一体が必要。自助に関する内閣府の世論調査では、家具の固定率が全体の35.9%、食料、水の備蓄が40.8%で、国民の防災意識はまだまだ高いとは言えない。しっかり啓発して、備えてもらうための準備をしたい。
 ―先の国会で活火山法が改正された。今後の火山防災対策は。
 自治体への支援や防災訓練の推進、普及啓発に努め、対策をより一層強化していきたい。火山防災への関心と理解を深めるためにも、改正法で定めた「火山防災の日」(8月26日)の普及啓発を計画していく。
 ―国土強靱(きょうじん)化はどう進めるか。
 先の国会での基本法改正により、強靱化の中期計画策定が法定化され、現行の5カ年加速化対策(2021~25年度)の後も継続的、安定的に取り組むことが担保された。非常に意義あることだ。改正法に基づき、必要な検討をさらに進めていきたい。 
〔写真説明〕インタビューに答える松村祥史防災担当相=4日午前、東京・永田町

(ニュース提供元:時事通信社)