【ワシントン時事】米国防総省は17日、中国軍戦闘機による東・南シナ海上空の国際空域での「威圧的で危険な行動」が急増していると発表した。米国や日本など同盟国の航空機に対する威圧行動は、過去2年間で約300件に上ったという。
 ラトナー米国防次官補は記者会見で「多くの場合、こうした行動は事故につながり、危険な事故が思わぬ紛争につながる恐れがある」と警告。アキリーノ米インド太平洋軍司令官も「事故の可能性を最も懸念している」と述べた。
 国防総省によると、中国軍機による威圧行動は2021年秋以降に増加。米軍機に対し約9メートルの距離にまで接近したり、前方を横切って意図的に乱気流を作ったりしたという。
 こうした行動は過去2年間で、米軍機に対してだけでも約200件を数え、それ以前の10年間の合計を上回った。ラトナー氏は「われわれは国際法が許す限り、安全かつ責任ある行動を取り、インド太平洋の平和と安定に貢献していく」と語り、今後も国際空域での活動を続ける方針を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)