身代金目的でデータを暗号化するウイルス「ランサムウエア」を使い、世界各国の重要インフラに被害を与えたグループ「Ragnar Locker(ラグナロッカー)」のプログラム開発者をフランス当局が逮捕していたことが20日、警察庁への取材で分かった。欧州を中心に、日本を含む11カ国で国際共同捜査が行われていた。
 欧州警察機関(ユーロポール)の発表などによると、ラグナロッカーは2019年12月から活動が確認されており、同名のランサムウエアを使う。最近ではポルトガルの航空会社やイスラエルの病院を攻撃したと主張。20年11月に公表されたゲーム大手カプコン(大阪市)の被害でも犯行声明を出していた。
 フランス国家憲兵隊は現地時間の今月16日、ラグナロッカー開発者とみられるチェコ在住の男を逮捕した。各国の捜査で、ランサムウエアのサーバーをオランダで押収したほか、窃取したデータを公開するリークサイトをスウェーデンでつぶしたという。
 警察庁によると、日本では20年から製造業など複数の企業で被害が確認されており、同庁のサイバー特捜隊や都道府県警察が捜査。21年10月から国際共同捜査に参画した。 

(ニュース提供元:時事通信社)