最大震度7を記録した能登半島地震について東北大の研究グループが分析したところ、1日午後4時10分ごろの地震発生から1分ほどで石川県珠洲市や輪島市沿岸に津波が到達していた可能性があることが分かった。地震を起こした断層が沿岸部に近かったためで、七尾市でも2分ほどで達していたとみられる。
 東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)らの研究グループが、能登半島地震の断層データを基にコンピューターシミュレーションで津波を分析した。
 その結果、富山市では地震発生から約3分後に津波が観測されていたが、計算上は5分後だった。これについて、今村氏は富山湾の海底で地震とは別に地滑りが起きて津波を引き起こした可能性があると指摘した。
 今村教授は余震でも津波が起きる可能性があるとして、「沿岸部で復旧作業に当たる方は避難場所を確認し、大きく長い揺れを感じたらすぐに海から離れてほしい」と話した。 

(ニュース提供元:時事通信社)