身代金目的でデータを暗号化するウイルス「ランサムウエア」を使い、世界各国の重要インフラに被害を与えたグループ「LockBit(ロックビット)」のメンバー2人が逮捕されたことが20日、警察庁への取材で分かった。欧州警察機関(ユーロポール)が主導し、日本を含む10カ国で国際共同捜査が行われた。
 警察庁などによると、2人はポーランドとウクライナでそれぞれ逮捕された。欧州を含む世界各国の重要インフラにランサムウエア「ロックビット」で攻撃をした疑いが持たれている。逮捕容疑には日本の被害は含まれておらず、今後関連を捜査する。
 共同捜査では、ロックビットが盗んだ情報の暴露に使う「リークサイト」や、犯罪に用いられるサーバーなどの閉鎖にも成功したという。
 ロックビットを巡っては、日本でも2021年以降、100件を超える被害が確認されている。昨年7月、名古屋港のコンテナターミナルで起きた大規模なシステム障害でも、ロックビットを名乗る英文の脅迫文が港湾関係企業に届いた。 
〔写真説明〕国際共同捜査で閉鎖される前のロックビットのリークサイト(画像上)と閉鎖後(同下)(警察庁提供)

(ニュース提供元:時事通信社)