東北地方沿岸部を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災は、11日で発生から13年を迎えた。復興庁によると、全国の避難者は2万9328人(2月1日現在)。東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島県の一部では避難指示が続き、今も故郷に戻れない住民がいる。帰還を諦める住民もおり、今後も実情に応じた支援が求められる。
 東日本大震災ではマグニチュード9.0、最大震度7を記録した。警察庁によると、死者は1万5900人、行方不明者は2520人に上る。復興庁の発表では、震災後の傷病悪化などによる「災害関連死」は昨年12月末現在で3802人。
 11日は岩手、宮城、福島の3県で自治体主催の追悼式典が行われ、地震発生時刻の午後2時46分に関係者が黙とうする。岸田文雄首相は昨年に続き、福島県主催の式典に出席する予定だ。
 昨年6月には改正福島復興再生特別措置法が成立。福島県の帰還困難区域の一部で、除染などを行い住民の早期帰還を目指す「特定帰還居住区域」の新設が可能になった。これまでに大熊、双葉、浪江、富岡の4町が申請した計画が認定され、避難指示の解除に向けた取り組みが進む。
 昨年8月からは、福島第1原発の敷地内にたまった処理水の海洋放出が始まった。東電は放出完了までに30年程度かかるとしており、漁業への影響を心配する関係者は少なくない。 
〔写真説明〕東日本大震災から13年となるのを前に、親族の墓前で手を合わせる人たち=10日午前、岩手県大槌町
〔写真説明〕宮城県石巻市の高台にある日和山公園から旧北上川河口付近を眺める家族ら=10日午後
〔写真説明〕請戸漁港から見える東京電力福島第1原発の排気筒=10日午後、福島県浪江町

(ニュース提供元:時事通信社)