ダイハツ工業は8日、認証不正を受け、再発防止のための新たな事業方針を公表した。小型車の開発・認証はグループを率いるトヨタ自動車が責任を持ち、同社の委託を受けてダイハツが開発を担う方式を採用する。不正の要因となった現場への過度な負担を軽減し、信頼回復を目指す。

 小型車についてはモデル数や輸出先が増え、重荷になっていた。新方式ではダイハツが中心となって開発に取り組むが、認証までの各工程の節目でトヨタによる監督を強化。今後モデルチェンジする車種から実施する。軽自動車はこれまで通りダイハツが主体となって開発などを進める。

 開発日程を4割延長して余裕を持たせるほか、社内の風通しをよくするため、5階層あった組織を「社長」「副社長」「本部長」の3段階に簡素化する。井上雅宏社長は同日の記者会見で、「良品廉価な車を磨き、軽を中心とするモビリティー(移動手段)カンパニーを目指す」と強調した。 

 ダイハツは昨年12月に認証不正拡大が発覚し、国内の完成車4工場のすべてで生産・出荷を停止した。国土交通省が安全を確認した車種から順次生産を再開している。これまで3工場が再開したが、本社工場(大阪府池田市)では生産再開のめどが立っていない。(了)

(ニュース提供元:時事通信社 2024/04/08-15:29)

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