【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が17日夜(日本時間18日午前)、米ワシントンで開幕する。イランのイスラエル攻撃による中東情勢の一段の悪化を受けたエネルギー価格の上昇や、各国通貨に対するドル高による途上国経済への悪影響など、世界経済が直面する課題について意見を交わす見通しだ。各国が成長へのリスクについて認識を共有し、協調できるかが問われる。
 G20に先立ち、先進7カ国(G7)の財務相・中銀総裁会議も17日午後(日本時間18日早朝)に当地で開かれる見通し。一連の会議には、日本から鈴木俊一財務相と日銀の植田和男総裁が出席する。
 G20の開幕を前に、国際通貨基金(IMF)は16日発表した世界経済見通しで、米経済の好調などを背景に2024年の成長率予測を上方修正した。一方、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとイスラエルの紛争拡大、紅海での攻撃の長期化、ウクライナで続く戦争をリスクに列挙。これらが食料やエネルギー、輸送などの価格高騰を招くと警鐘を鳴らした。
 米国経済は、堅調な雇用情勢などを背景に底堅く推移しており、インフレの鈍化ペースが遅れている。このため米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測は後退。日本の円をはじめ多くの国の自国通貨が対ドルで下落している。新興国での物価上昇や成長減速などドル高の悪影響が懸念されており、鈴木財務相は今回参加する一連の会議で、為替の問題について「話題にはなると思う」との認識を示した。
 G20の議長国ブラジルは、各国の見解の差が大きいウクライナや中東の危機を主要議題とせず、国際開発金融機関(MDBs)の機能強化や、気候変動対策の資金課題などの議論に注力したい考えだ。共同声明の取りまとめは見送る。
 G7議長国イタリアは、ウクライナ支援や対ロシア制裁などでの連携を確認し、共同声明の取りまとめを目指す考え。イエレン米財務長官はイランへの追加制裁に前向きな姿勢を示しており、一連の会議でどこまで議論されるかも注目される。 

(ニュース提供元:時事通信社)