気象庁は、津波警報が長時間続いた場合の記者会見や報道発表での情報提供のあり方を見直す。19日に「長時間継続する津波に関する情報提供のあり方検討会」が報告書をまとめ、明らかにした。

同庁ではこれまで、地震発生直後の津波からの避難等の初動対応に資することに重点を置いて、津波情報の改善や普及啓発を行ってきた。一方、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震をはじめとする大規模地震に起因する津波は、減衰までの時間が長時間となるため、その間の警報や防災対応も長く続くことが想定される。そのため、避難の継続や人命救助活動等の防災対応に資する観点から、津波の推移に応じた効果的な情報提供のあり方や、普及啓発で取り上げるべき内容について検討をしてきた。

新たな情報発信では、津波警報等に加えて、津波の今後の見通しや実況についての情報提供を充実する。例えば、「1983年日本海中部地震や93年北海道南西沖地震などの観測記録から少なくとも半日から1日程度は津波の高い状態が継続する」と呼びかける。住民避難の観点では、「既に避難をしている人は避難の継続を!」など、避難した人々が危険な地域に戻らないような内容・方法で情報提供も行う。このほか、人命救助活動等の防災対応を行う防災機関に対しては、人員配置や活動内容、被災リスクの高い地域での活動の判断を行う材料として、気象庁から発表する情報を丁寧に解説することが重要としている。