特集:BCPで生き抜く

製造困難品ごとにグループ設置
つくりかけのBCPを発動

三洋化成工業株式会社(本社京都市)は、茨城県神栖市にある鹿島工場が被災する中、2週間で事業を再開させた。ライフラインの復旧が長引いたが、2年前に名古屋工場でBCP を策定した経験を生かし、柔軟な対応で困難を乗り超えた。

家庭用洗剤などに使われる界面活性剤や機械産業用の潤滑油添加剤などの化学製剤をつくる同社は、2009 年3月に主力工場である名古屋工場を対象に、東海・東南海地震を想定したBCP を策定した。その後、京都本社や鹿島工場など他の事業所にもBCP を拡大していこうと準備をしていた矢先、東日本大震災に直面した。

写真を拡大機器、器具が落下散乱した検査室

震度5強の揺れ──。鹿島工場は、海岸から約1キロと海の近くに立地しているが、津波による直接的な被害は免れた。しかし、工場内の設備にズレが生じ、それに伴い、配管などに破損や亀裂が無いかを点検しなければならないという課題が立ちはだかった。

安全点検は目視で済むようなレベルではない。化学薬品などの危険物を扱っているため、診断マニュアルに基づき、1カ所ずつ、パイプの内側から圧力をかけて損傷個所が無いかを確かめていかなければならない。

当初、詳細な点検が必要と思われる箇所は150に及ぶと報告された。それだけでも数日間は要することが予想されたが、この150 カ所を点検すると、今度はその設備に繋がっている別のユーティリティからの配管なども次々と診断が必要となり、最終的には600 カ所を点検することになった。同社BCP本部長を務める吉野隆取締役常務執行役員は「まるで、モグラたたきのような対応だった」と振り返る。

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