騒乱や労働争議
リオの開会式はデモに見舞われるかもしれません。職務停止中の大統領ジルマ・ルセフの支持者や反支持者、オリンピック反対運動家などからなるデモです。7月31日には、約4000人がコパカバーナビーチに集まり、ルセフ大統領の永久的追放を求めました。数週間以内にルセフ大統領の罷免が決定されるので、それまでの間、大統領関連のデモがもっと発生するでしょう。

「TheExclusionGames」の旗の下で活動する社会運動は、オリンピックへの支出が引き起こした社会経済上の不正義を訴えて8月5日にリオ市内の多くの地域で大規模なデモを計画しています。オリンピックへの支出のため、政府は公務員向け資金を大幅に引き下げました。オリンピックに至るまでの数か月から数週間にわたって、医療従事者、教師、警察までも多数のデモを繰り返しました。8月1日から、「TheExclusionGames」運動は、リオのダウンタウンでの行進に続く一連の抗議活動を開始しています。

8月1日:「尊厳の通夜」がCinelandiaで開催
8月2-4日:抗議のイベントが、リオ連邦大学の哲学社会科学研究所で開催
8月5日:大規模な動員が、マラカナ(Maracana)スタジアム近くの、Tujucaのプラカサーンスペナ(PracaSaensPena)で開催

テロ
リオでのテロの脅威は、歴史的に「無視できる」状態でしたが、欧州での最近のテロの急増を考慮すると、テロの脅威に対しより深い洞察を要するようになったといえます。

7月21日、治安担当者は、テロを企てた容疑で12名を逮捕しました。彼らは、複数のオンラインフォーラムで、イスラム国への共感を煽る、ゆるやかに組織化されたグループの構成員たちでした。サンパウロでは、ヒズボラの元メンバーだったレバノン人を拘束されました。彼は、テロ関連者ということでなく、麻薬密売の罪で、2013年以来、インターポールの指名手配されていました。

ブラジルの情報機関は、具体的な標的の名と方法までを記載し、オリンピックの期間中のテロ攻撃を呼びかけるメッセージを、メッセージアプリの「テレグラム(Telegram)」の書き込みした者がいることを発表しました。

ブラジルはテロ対策の取組みを強化するために、多数の外国の情報機関と協力していますが、最大のチャレンジは、情報網に捉えられないローンウルフ型のテロの検知および防止といえます。

警察
リオの警察の腐敗は相当なものです。悪徳警官は、嘘の罪や一見して無意味な違反で逮捕するのを見逃すためと言って「cervejinha‘(チップ’)」を要求します。ポイ捨ては違法であり、その場で罰金を払うことになりますが、悪徳警官の標的となる可能性があります。しかしどんな場合でも、警官への賄賂は止めましょう。そのような行為は禁固刑を伴う深刻な犯罪とみなされる可能性があります。
多くの警察官は旅行者を助けようとしますが、ほとんどの者が外国語を話せません。

警察の助けが必要なときには、DEAT(DelegaciaEspecialdeApoioaoTurismo)と呼ばれるツーリスト向けの警察官に連絡を取ることをお勧めします。

DEATとの連絡を取るには、アフラニオ・デ・メロフランコ通り(AfraniodeMeloFrancoAvenue)、#159にあるレブロン(Leblon)のメインオフィスに行くか、2332-2924、2332-2885/2889に電話をかけてください。

伝染病
国連の専門組織である世界保健機関(WHO)が、ラテンアメリカでの公衆衛生上の緊急事態を宣言した2016年初頭以降、ジカ・ウィルスは世界の悪評を獲得し、多くの報告なされていきました。実際の流行は2015年4月に始まりましたが、当時は、ギラン・バレー症候群を含む先天性欠損症や神経障害を引き起こす病気の証が山ほど出ており、それらがリオ・オリンピックにとっての主要な関心事でした。

イェール大学公衆衛生大学院(YSPH)の新しい研究では、リオ・デ・ジャネイロ市での海外旅行者へのジカ熱の発症リスクは「低い」または「無視できる」というものでした。50万人もの外国人観光客を迎える市では、この研究に従い、最悪のシナリオでもオリンピックとパラリンピックの期間中、罹患する確率は6,200人分の1人から56,300人分の1人と想定しています。YSPHは、6人から80人程度は陽性反応が出ると考え、彼らの内、約50%が感染して母国に戻るだろうと想定しています。これは、3から37人にあたります。エールの研究者は、この数字では、他国で感染が広がるためには少な過ぎると言っています。

それでも、妊娠中か妊娠を確信している女性が、十分な注意を払うべき、さらには渡航延期を検討すべき正当な理由があります。WHOも妊娠中の女性に旅行を控えるよう勧めています。ブラジル当局は今年度登録の10万の症例の内、約7,000件が妊娠中の女性の感染でした。2015年の流行以来、約5,000件のジカ熱感染例が先天性欠損症と関連しています。

6月、WHOはジカ熱の感染状況は「リスクとしては非常に低い」と述べ、オリンピック期間中のブラジルの状況は「管理可能」であると述べました。蚊の活動が弱まる冬の到来を迎え、確かに発症例は減少しています。さらに、ブラジル政府とWHOは、罹患のリスクを軽減するために有益なアドバイスを提供しながら、国民向けの意識向上キャンペーンを継続しています。

旅行者は、蚊を媒介とする疾患としてより一般的な疾患、とりわけ、ジカ熱以上に発症の可能性が高いマラリア、黄熱病、チクングニヤ熱、デング熱にも注意する必要があります。

鉤虫、ハエ、ノミの蔓延による健康被害が、マラリアやデング熱による急性下痢に次いで、ブラジルへの渡航者から多く報告されています。また、疾病管理予防センター(CDC)は、住血吸虫症の罹患を避けるために、淡水湖で水泳を控えるよう、旅行者に注意喚起を発しています。