120人が参加し発災からの対応を模擬体験

首都直下地震で東京湾が被災した際、海外へ製品を輸出する企業が日本海側の港湾をつかって代替輸送できるかを検証する訓練が8月23日、都内で開かれた。NPO危機管理対策機構のD-PACプロジェクト国土交通省北陸地方整備局らが主催したもの。10月にも同様の訓練を名古屋で開催し、成果や課題をもとに代替輸送の準備に関する手引書を作成し、荷主企業や物流関係者へ配布する。

訓練には、実際に国際コンテナ貨物を扱う荷主企業や行政機関、一般企業のBCP担当者ら約120人が参加。荷主、物流会社、海貨業者などの役割を模擬的に体験し、発災直後から10日後までの対応を確認した。 

東日本大震災では、津波や地震で被害を受けた東北の港湾の代替拠点として日本海側の港湾が機能し、バックアップ体制の重要性が浮き彫りになった。仮に首都圏直下型地震や南海トラフの巨大地震などが発生すれば、太平洋側の港湾が大きな打撃を受けることは避けられない。国内の製造業は海外に製品が輸送できなくなり、さらにサプライチェーンでつながった世界各国のメーカーにも影響が及ぶ。 

今回の訓練は、代替港湾を介した海外企業への確実な納品、BCPを改善する際の「代替輸送」をより実効性のあるものにすることなどを目的に企画された。物流ルートを変更する際の手順を確認すること、代替輸送を行う際の課題を抽出することなどを目標に掲げ、発災直後からの被災状況の確認、北陸の港湾や物流・倉庫業などとの連絡調整、代替輸送ルートのスムーズな確保などを検証した。 

訓練のシナリオは、8月23日金曜日、午後1時25分に東京湾北部を震源とするM9の首都直下地震が発生し、東京湾、川崎湾、横浜湾の、いわゆる京浜港が使用できなくなるという想定。荷主の輸出品はショベルの部品で、横浜港から上海港、横浜港からロシアのボストーチヌイ湾に海上コンテナで輸送していることを前提条件とした。 

訓練は、模擬災害体験演習(モック・ディザスター)と呼ばれる手法で、参加者には、事前に具体的な被災状況などは公開せず、実際の災害と同じように、時系列で次第に被災状況があきらかになっていくというもの。発災~初動までの対応、数日目までの対応、10日目までの対応と3段階に分けて実施し、それぞれの段階の中で訓練の進行役から被災状況が言い渡された。