2020/07/06
防災とピクトグラム
「いたわり」の大切さ
国や地方公共団体が取り組む「公助」には限界があります。そして、防災の基本は「自助」ですが、自分でできることもやはり限界があります。ましてや障害当事者とその家族、介助者には逃げることで精いっぱいなので他の事に手が回らないでしょう。
避難所の周りには、障害者、高齢者、妊娠中の方、ベビーカー利用者、小さいお子さん、自然災害でケガされた方、体調が悪い方など見かけます。世の中、災害に強い人ばかりではありません。そこで、地域または避難所で取り組む「共助」が重要となります。
避難所で、車いす使用者や白い杖を持っていたり、身体障害者補助犬を連れた人を見かけることがあります。もし、その人が困っていたらどうすればいいのでしょうか? 正しい知識さえあれば、積極的に声をかけ、助けることができるはずです。駅、街中、ビル・商業施設など公共の場でも応用できます。
例えば、目の不自由な人がトイレに行きたくて、声をかけたいと思っていますし、合図を出しているかもしれません。
1. 白杖SOSシグナル
白杖を頭上50センチ程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをしてください。
障害者に関係するマークの一例
https://www8.cao.go.jp/shougai/mark/mark.html
2. 身体障害者補助犬
身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬および聴導犬のことです。
盲導犬は、視覚障害のある人が街中を安全に歩けるようにサポートします。
介助犬は、肢体不自由のある人の日常生活動作をサポートします。
聴導犬は、聴覚障害のある人に生活の中の必要な音を知らせ、音源まで誘導します。
身体障害者の自立と社会参加に資するものとして、身体障害者補助犬法に基づき訓練・認定された犬です。法に基づく表示を付けています。
厚生労働省 身体障害者補助犬
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hojoken/index.html
自治体による避難所運営マニュアルで身体障害者補助犬について触れている例はまだ少ないのが現状です。しかし、災害時に身体障害者が補助犬を同伴して避難所に来た場合、身体障害者補助犬法に基づき拒んではいけないので、見かけた方はペットとして持ち込んだわけではないので温かい目で見守ってあげましょう。
あと、視覚障害のある人が盲導犬を連れていても白杖を持っていると思いますので、「白杖SOSシグナル」を見かけたらお声かけをよろしくお願いします。
3. 意識改革が必要です
全ての障害者に共通しますので、覚えていただければ幸いです。
日本では、まだ障害者と健常者とのかかわりが密接ではないように感じています。健常者も話題の引き出しがないと、結局「どうして障害を負ったのですか?」というトピックになってしまいます。全く生産性のない会話ですよね。
海外では、May I help you?(お手伝いしましょうか?)など積極的(未来)に聞いてくれる関係性ができています。その点においては日本でも健常者やメディアの意識が変わらないといけないし、変えていきたいと思っています。
おすすめ記事
-
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
-
-
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
-
-
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
-
-
-
家庭の防災は企業BCPとつながっている
昨今は社員の自主防災力向上に努めている企業も多いでしょう。この時期は災害時のルール周知に余念がないと思いますが、ポイントとして提案したいのが、家庭の防災と企業BCP のつながりをしっかり伝えること。「家庭と会社は別」と考えがちですが、家庭の防災力を上げないと企業の事業継続力も上がりません。メッセージを出すよいタイミングです。
2024/05/02
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方