小型センサーボックス(写真右)を傾斜監視したい箇所に設置するだけで計測を開始し、データは無線通信によりクラウドサーバーへ転送され、パソコンやスマホなどでいつでもどこからでも確認することができる

西松建設は24日、IoT技術を活用した、安価で手軽に開始できる傾斜監視クラウドシステムを5月から提供を開始すると発表した。小型センサーボックスを傾斜監視したい箇所に設置するだけで計測を開始。計測したデータは無線通信によりクラウドサーバーへ転送され、パソコンやスマートフォンなどでいつでもどこからでも確認することができる。巡視による目視点検が困難な斜面、擁壁、護岸、柱状物などの傾斜を把握したい施設で活用できる。

屋外仕様の小型センサーボックスを計測したい場所に設置するだけで計測と通信を開始でき、電源はリチウムイオン電池のため給電や通信の配線作業が不要。省電力のため、1時間に1回送信する場合、電池で2年間利用ができるだけでなく、既存の類似技術と比較しトータルコストを約半分に抑えることができる。遠隔地からもパソコンやスマホで計測データを常時確認でき、設置後もクラウド上の管理画面で計測間隔やアラート通知などの設定変更が可能。あらかじめ設定した値を超過した場合に、メールなどでアラート通知が可能できる。

昨今、豪雨、地震、火山噴火などによる土砂災害リスクが高まるなか、インフラ施設の斜面部の点検・監視の必要性が増大しており、さまざまな監視技術が国内各所で導入されている。しかし、現状の無線通信を用いた傾斜監視技術は、通信機器、通信料、電力供給費用などのコストが1カ所あたり約800万円前後と高価なため、多くの箇所に導入できず、点検員の巡視による目視点検で対応している。点検員による目視点検では軽微な変状を捉えにくいうえ、巡視業務は多大な労力が必要だった。

センサーボックスの寸法は、縦・横それぞれ10cm、奥行き4cm、重量は約300g。計測項目は、傾斜角度(3軸方向、精度:約0.2~0.3°)、衝撃検知(2~16G)、位置測位(GPSによる)、方位角(コンパス機能)、温度 (ボックス内部)。価格は、センサーボックス本体費が19万8000円/台 (利用可能期間:2年間まで)、クラウド利用料が 2000円/台・月(いずれも税抜き)。

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(了)

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リスク対策.com:横田 和子