2022年版グローバルリスク報告書

「グローバルリスク報告書」の2022年版が、世界経済フォーラムで発表された。世界各国から約960名(昨年664名)の学識経験者や政財界のリスクスペシャリストの意見を反映させた報告書で、今回が17回目の発行となる。

2022年版は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が続く中、気候変動の危機、社会的格差の拡大、サイバーリスクの高まり、そして不均衡なグローバル経済の回復などが、懸念される主なリスクとして取り上げられた。同報告書の編集に携わる、マーシュ・マクレナンのグループ会社で、保険仲立人大手のマーシュ ブローカー ジャパン取締役会長の平賀暁氏は、今回の報告書について、社会的なリスクの1つである感染症(COVID-19)が、テクノロジーや経済、地政学、さらには環境と、グローバルリスクが定義する全てのリスク分野に影響を与えたことを改めて示したと解説する。そして、それらの影響は、すべて企業にまで降りかかると警鐘を鳴らす。

下記の図は、平賀氏が2021年、2022年のグローバルリスク報告書をもとにリスクの流れを図式化したものだ。色分けしている四角は、グローバルリスク報告書が定義するリスクの5分類を示す。紫色がテクノロジー、赤色が社会、青色が経済、黄色が地政学、そして緑色が環境だ。

COVID-19がもたらした影響(資料:マーシュブローカージャパン株式会社)