2018/07/25
防災・危機管理ニュース
企業間連携拡大への対応
スパム用のアカウントの作成は主に2種類。ひとつはフリーメールのアドレスからフェイスブックのアカウントを作り、そこからLINEアカウントを作成。もうひとつはバーチャルSIMを利用し作成する。バーチャルSIMは従来の端末に差し込んで使うSIMカードとは違い、クラウド上で管理されたSIM。ネット上で電話番号を取得することができ、大量にアカウントを作るのに適している。「スパムは乗っ取りよりもすぐに新たな手がうたれる」と市原氏は評しており、機械学習での対応を進める。
ほかにもフィッシング詐欺対策では、ユーザーへの通知はメールでなくアプリ経由で可能な限り行っている。また詐欺に使われるドメインをいち早くブロックするため、7月に米国に本拠のある非営利団体・APWG(Anti-Phishing Working Group)にも加盟した。さらに今年の「サイバー防災訓練」ではヤフーとアマゾンジャパン、仮想通貨取引所運営のbitFlyer(ビットフライヤー)も参加。フィッシング詐欺について動画などを用いて解説した。
LINEでは格安スマホの「LINEモバイル」やキャッシュレス決済の「LINE Pay」などサービスが広がっているほか、企業公式アカウントも含め他企業とも連携が増加している。アカウントを持つことで様々なサービスが利用できるようになっている現在、セキュリティで他社に対しオープンにしないといけない面もある。「セキュリティと開発、企画、カスタマーセンターの各部門で密に連携し、事業化などの判断は素早くしている」と市原氏は説明。新しい企画は新たなセキュリティ対策が必要だし、新たなセキュリティ対策は問い合わせが増えカスタマーサポートで対応が必要となる。市原氏は「安全性と利便性のバランスは重要で、今後もスピード感を持って対応にあたっていく」という。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
- keyword
- LINE
- サイバーセキュリティ
- アプリ
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方